好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

からだの免疫キャラクター図鑑 岡田晴恵監修

 


 

前回の「感染症キャラクター図鑑」に引き続き、今回もキャラクター図鑑シリーズの1冊「からだの免疫キャラクター図鑑」です。


2冊を続けて読んでみると、免疫キャラクター図鑑のほうが、かなり難しそうです。感染症の場合は、小学生でも身近に経験する出来事です。しかし免疫の場合は、あくまでも免疫学、生物学の一分野として説明する必要があり、日常の経験だけを頼りにしては先に進めません。

 

また感染症の場合、基本的に1種類の病原体(細菌やウイルスなど)が人間を襲うわけで、理屈の上では比較的単純です。(何種類もの細菌やウイルスが編隊を組んで人間を襲うような病気は普通ありません)

 

一方、免疫の場合は色々な種類の細胞が協力して、病原体と言う敵を撃退します。このプロセスは非常に興味深く、最近では「働く細胞」というマンガにもなっています。しかし、このプロセスを、いきなり子ども達に理解させようとしても無茶でしょう。そんなわけで、この本は普通の小学生にとっては難しそうです。(マンガ「働く細胞」が好きな子なら楽しめるかもしれません)

 

その一方で、T細胞やB細胞、サイトカイン、インターフェロンヒスタミンと言った基本的な専門用語が分りやすく説明されているので、医療・看護系の学生さんなどで、免疫学は難しいと思っている人には役立ちそうです。(特に、高校時代に生物を全く勉強しなかったけど、今から全部学習する余裕が無い人には役立ちそう)

 

結論としては、書店や図書館の児童書のコーナーに置かれるよりも、「世界一分かり易い免疫学」みたいなタイトルで医学書や看護の本のコーナーに置かれたほうが合っていると思います。(出版社としては、学校図書館看護学生の両方に買ってもらえて商売繁盛なのかもしれません)

 

次回も引き続き、キャラクター図鑑シリーズから「漢方薬キャラクター図鑑」を紹介する予定です。

 

病気をふせぐしくみがよくわかる! からだの免疫キャラクター図鑑 [ 岡田晴恵 ]