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感染症とたたかった科学者たち (小学生向け科学読み物)


 

 


感染症とたたかい、免疫学や細菌学の基礎を作った科学者達の研究をたどります。
小学校高学年向け。
著者は「感染症キャラクター図鑑」や「免疫キャラクター図鑑」と言った児童向けの本も執筆している女性免疫学者の岡田晴恵。

 

立派な人になろうというタイプの偉人伝ではなくて、科学の研究、医学実験そのものを追体験できるような構成になっています。特に重要な発見では、文字とともにマンガでも解説しています。
「ひらめきの瞬間(セレンディピティ)」を重視した医学読み物、科学の歴史。


最初に登場するのはジェンナー。科学的には必ずしも明白でないことでも、不屈の精神で前へ進む信念の人として描かれています。

 

パスツールは、ひらめきにより状況証拠を積み重ねていく科学者として描かれています。現在の免疫学というよりは、疫学、衛生学的に近い発想。

生物の自然発生を否定したパスツールの実験では、普通のフラスコを使ったテオドール・シュワンの実験と比較しています。ハクチョウの首のような形をしたフラスコを使うことで、自然発生説が、より確実になものになったことを学びます。

 

もう一人の巨人、細菌学のコッホは、いかにも科学者と言うタイプ。ドイツ人らしく厳密性、科学性を重視する人として描かれています。微生物を培養する培地の開発や、微生物を染色する方法の研究など。学問としての基礎をきっちり築いていく様子を学びます。

 

日本人からは、秦佐八郎と北里柴三郎を紹介。
海外で最先端の研究を学び、真面目さと粘り強さで成果をあげた人として描かれています。ひらめきだけでなく真面目さも大事。

 

他に抗生物質ペニシリンを発見したアレクサンダー・フレミングの研究などを紹介しています。

 

顕微鏡と実験動物のマウス(ねずみ)が色々な研究で登場します。

 

A4ハードカバーの大型本。値段も3000円以上するので図書館の活用も選択肢になりそうです。

 

感染症とたたかった科学者たち 情熱とひらめきが命を救った! [ 岡田晴恵 ]