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イラストでわかる微生物学超入門


 

 

カラーイラスト満載で非常に分かり易い微生物学入門(医療・看護系向けのテキスト)。1テーマ見開き2ページ、左側ページに文章、右側のページはカラーイラスト。

 

この本の特徴は単にカラーイラストが掲載されているだけでなく、書名の通り「イラストでわかる」を実現していること。第1章の1では、地球の上で少年がサッカーをしているイラストが描かれています。このイラストで、地球は人間、ゴールポストは真菌(酵母)、サッカー選手は細菌、サッカーボールはウイルスの大きさを表しています。酵母は微生物の中では大きいほうだということが、理解できます。白黒の本では覚えにくいグラム染色。しかし、この本ではグラム陽性細菌は紫、グラム陰性細菌は赤(ピンクっぽい赤)に着色されたイラストが繰り返し出てくるので自然と覚えてしまいます。(初心者には顕微鏡写真よりもイラストのほうが理解しやすいと思います)、マイコプラズマには細胞壁が無い、リケッチア、クラミジアマラリア原虫は細胞の中に入り込むと言ったこともイラストを見れば一目瞭然です。

 

また有名な感染症については、診断法や抗菌薬の解説ではなくて、菌やウイルスが、どこからやってくるのかについてイラストを使って説明しています。流行が心配されている麻疹(はしか)は空気感染や飛沫感染、接触感染。ノロウイルスはカキなどの二枚貝から感染しますが、元々は人の糞便に含まれていたウイルスが下水に流されたもの。虫が媒介するウイルス、食中毒を起こす細菌やウイルス。母子感染するウイルスと、色々なパターンがイラストで説明されています。


珍しいケースとしては、梅毒(梅毒スピロヘータ)は、コロンブスの一行がアメリカ大陸から持ち帰り、ヨーロッパ、中国を経て20年あまりで日本に上陸。こんな風に感染症を通して、微生物にも興味を持てるように色々と工夫されています。

 

文系の人でも最後まで読み通せる「微生物学」の教科書だと思います。

 

書籍版

イラストでわかる微生物学超入門 病原微生物の感染のしくみ [ 齋藤光正 ]

 

電子版

イラストでわかる微生物学超入門【電子版】 | 医書.jp

 

 

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