好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

ブラック微生物学

 


800ページ以上ある昔の電話帳のように分厚い微生物学の教科書。
英語からの翻訳で値段も8500円+消費税。


色々と敷居の高そう(ハードルが高いが正しい日本語)ですが、図書館で眺めてみると、意外と読みやすそうだったので借りて来ました。


分厚く、かさばる1冊ですが、細かい知識を詰め込むわけではなくて、微生物に関わる色々な分野を詳しく説明しています。普通の図書館でも見かける本で例えると、ブルーバックスの「アメリカ版 大学生物学の教科書」3巻分ぐらいが大判の1冊に収録されているみたいなもの。レベル的にも大学の教科書にしては、やや易しめかもしれません。

 

内容的には微生物そのものに関する解説のほかに、化学(生化学)、顕微鏡、ウイルス学、疫学(衛生学)、免疫学、感染症、食品や環境と微生物と幅広い内容を扱っています。その一方で微生物の名前を羅列するような構成は、なるべく避けています。
カラー写真やイラストも豊富に掲載。

 

パスツールの「白鳥の首」フラスコの実験に関しては、耐熱性菌や芽胞形成菌は殺菌できないことを指摘しています。しかし「その時代のほとんどの科学者たちに対して自然発生の反証として認められた」と書かれています。こんな所にも、先を急ぐのではなくて、じっくりと学んでいこうとする姿勢が現れているのかもしれません。

 

他の入門書には、あまり書かれてない内容として、細胞にウイルスが感染する
バクテリオファージについて詳しく説明されています。ウイルスに感染して細菌の性質が変わってしまうのは面白い現象だと思います。

 

微生物に関する易しい本を何冊か読んだ後に読むと、楽しく読めそうな1冊。

 

ブラック微生物学第3版 [ ジャクリーン・G.ブラック ]