好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

ビーカーくんとそのなかまたち


 

 

理科・化学の実験器具のキャラクター図鑑。


博士がフラスコや試験管をもって怪しげな薬品を調合する実験。
学校の理科室でのアルコールランプやガスバーナーを使った実験。

 

そんなシーンに登場するビーカー、フラスコ、試験管などを擬人化したキャラクターで紹介しています。キャラクター図鑑に類するものは色々と出版されていますが、非常に出来のいい1冊。

 

ビーカーは7種類、フラスコは8種類と中学、高校の理科室には置いていないような専門的な器具、高価な機器も紹介しています(分光光度計やドラフトチャンバーも)。専門的な研究では、これらの器具を使い分けていることも、ユーモアを交えて紹介しています。

 

新品のビーカーはコップ代わりに使いたくなる。
でも一度でも薬品をいれてしまったら、絶対に食器として使ってはダメ。
ガラス製の実験器具を日用品として使って、もし割れてしまうと、片付けるのが大変。(それ以前にケガする危険もありますが)
そんな普通の本には載せない話も。

 

一方、ルイ・パスツールの白鳥の首の実験では、読者を子ども扱いせずに、論点をちゃんと説明していて好感が持てます。「白鳥の首のフラスコ」を自作しようとすると実際には難しいこと。実験を再現したいなら、S字に曲げたガラス管をゴム栓でフラスコにつなげばいいことも紹介しています。ちなみに、容器を密閉する栓(せん)だけでも、すりガラス加工された共栓、シリコン栓、ゴム栓、コルク栓が紹介されています。

 

どちらかというと裏方、縁の下の力持ちのような存在の実験器具。そんな裏方への愛情が伝わってくる1冊です。

 

 

ビーカーくんとそのなかまたち この形にはワケがある!ゆかいな実験器具図鑑 [ うえたに夫婦 ]