マンガおはなし化学史(ブルーバックス)
マンガおはなし化学史 驚きと感動のエピソード満載! (ブルーバックス)
発売日: 2010年12月20日
著者/編集: 松本泉原作, 佐々木ケン漫画
出版社: 講談社
発行形態: 新書
ページ数: 295
ISBNコード: 9784062577106
火をおこし土器を作った大昔の人類。
金や銅、鉄などの金属の発見と利用。
特に鉄を作り利用する技術は、軍事力に直結。
中世のヨーロッパにも影響を与え、「化学」を準備。
化学が錬金術から独立。
元素などの基本概念、質量保存の法則と言った基本法則が確立。
電気分解や分光分析による元素の発見が相次ぎ、メンデレーエフが周期表を作成。
初期の電気分解は、ヴォルタの電池を応用した文字通りの電池を使用。
分光分析では、理科の実験ではお馴染みの「ブンゼンバーナー」も登場。
最後の章では、20世紀になってナイロンなどの高分子も人工的に作れるようになったことを紹介しています。
学習マンガとしては、全体的に、かなり内容を詰め込んでいる感じです。最近出版された学習マンガ「元素に恋して」は化学を全く学習していない人を想定しているのに対して、こちらは中学、高校の化学を学びながら副読本的に読むのを想定していると思います。また科学の研究には、精密な測定と根気が必要だということも化学の歴史を通して伝わってきます。
錬金術までの「化学以前の化学」を詳しく扱っているのに対して、現代化学に関する部分は大幅にカット。物理や生物学との関わりの深い分野はほとんど省略されています。その結果、多くの人がイメージする「化学らしい分野」が選ばれているとも言えそうです。
化学や科学史に興味のある人が、気分転換に読むのに良さそうな1冊。