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漢字ふむふむ「老婆」

漢字ふむふむ「老婆」
[Eテレ] 2022年01月22日 午後3:45 ~ 午後3:50 (5分)

 

NHK教育テレビEテレ)で不定期に放送されているミニ番組「漢字ふむふむ」。
日本と中国で意味の異なる漢字や言葉を解説しています。
(「テレビで中国語」の1コーナーとして再利用されることもあります)

 

今回のテーマは老婆
昨年、新垣結衣さんの結婚が発表された時、中国のネットニュースでは、「国民老婆結婚」と報道されました。老婆は、中国では日本と意味が異なります。(「年を取った女性」という意味ではありません)

 

番組では、明治大学に通う中国人留学生、董雅馨(とうがけい)さんのエピソードを紹介。


芥川龍之介の「羅生門」を日本語で読んでいた雅馨さん。
男が老婆の着物をはぎ取り闇の中に消えて行くシーンを読んで、「なぜ自分の妻の服をはぎ取る?そして妻を残して立ち去ったのはなぜか?」という疑問を持った。

 

中国では老婆は妻と言う意味。
雅馨さんは、羅生門を夫婦の物語だと勘違い。

国民老婆も「国民の妻」、皆に愛される存在という意味。

 

 

加藤徹明治大学教授による解説

もともとは中国でも老婆は「年をとった女性」の意味。
1300年前から中国に伝わる夫婦の物語で意味が変わったと言われている。

 

加藤先生による朗読
はるか昔、貧しい男が妻の支えもあって役人へと出世した。

「偉くなったし妻と別れて若い女性と再婚でもするかな」と心がゆれてしまう。
ところが「出世したのは妻が支えてくれたおかげじゃないか」と深く反省。
そんな夫を妻は「あなたはとても正しい人です」

 

その妻に夫は

 

老婆一片婆心
きみ(妻)は思いやりにあふれている

 

長年連れ添った妻に親しみをこめて、冗談めかして「老婆」と呼んだのです。
それをきっかけに老婆が妻と言う意味で中国に定着しました。

 


おまけ
ネットで読める羅生門

羅生門 芥川龍之介 青空文庫