好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

漢和辞典的に申しますと。   円満字二郎  


 

 

文庫本、ポケットに入る大きさながら、意外と読み応えのある漢字コラム。
見開き2ページで構成されるコラムが160本。
一つのコラムで、一つの漢字を取り上げているので、見出しになっている漢字は160文字。前書きや目次なども含めたページ数は350ページ。
いわゆるビジネス書やビジネス新書と比べると、3冊分ぐらいのボリュームがあります。


 漢字には、文字そのもの、読み方(音読み、訓読み)、意味、字体(旧字体新字体など)、それぞれに歴史があります。三千年以上前、中国の甲骨文字から、ごく最近の日本や中国で生まれた用法まで。普通に国語辞典を引くよりも、さらに広い範囲の歴史と地域を意識できるのが、漢和辞典の魅力でしょうか。
 


 以下、印象的だった事柄を、いくつかメモしておきます。

 

もみじには、紅葉のほかに、椛、栬、𪲒という国字がある。
(パソコンやスマホの環境によっては、表示されない文字もあるかもしれません。それぞれ、木へんに、花、色、赤で、全て「もみじ」と読みます。)

 

一般的には存在しないとされている、魚編に夏の漢字。「魚夏」を一文字で書く漢字。しかし1958年出版の「水産動植物名漢和辞典」に、「フグ、ハエ、ハヤ、フクベと読む」とあるとのこと。時代や地域によっては、「魚編に夏」と書く漢字も使われていたようです。

 

お正月のドラマ「教場Ⅱ」にも登場した「嬲る(なぶる)」。夏目漱石の小説「虞美人草」にも登場。漱石が使うと漢字のイメージよりも風流(上品な雰囲気)。

 

韮の部首は伝統的には韭 (にら)。(部首を「くさかんむり」にしている辞書もあります)

 

漢字好きの人には、お勧めの1冊。

 

漢和辞典的に申しますと。【電子書籍】[ 円満字二郎 ]