漢字の部首で非常に紛らわしいのが、「しめすへん」と「ころもへん」。
祥子さんと裕子さんに手書きで手紙を書くときに、名前を間違えると大変です。
そこで、今回のテーマは、「しめすへん」の漢字と「ころもへん」の漢字。
基本
礻(しめすへん)は、
神、祭事、神のもたらす禍福。
衤(ころもへん)は、
文字通り衣服に関わる漢字
これで大部分の漢字は区別可能。
まずは、礻(しめすへん)の漢字
しめすへんは、漢検準2級までに11文字学習
(礻を使う文字のみで、示は除く)
社、神、福、礼、祝、祖、祈、禍、祉、祥、禅
社 元々は、「農耕地の神」、ほこら、やしろと言った意味。
神 いなびかり、天の神
福 畐は神にささげる酒の樽(たる)
礼 甘酒を神にささげて幸福の到来を祈る、いのる。
祝 幸福をもとめて、いのる。いわう。
祖 そなえ物をして祭る先祖
祈 幸福に近づくことを願う
禍 神の下す「わざわい」
禍(わざわい)=災い
禍禍しい(まがまがしい)曲が曲がしい
縁起が悪い、いまいましい
祉 神のとどまる所、福祉の祉
祥
ウール(羊毛)や羊の毛皮のことではなく、「神にそなえる羊」なので「しめすへん」
祥子 しょうこ、さちこなど
視 部首は見(みる)
ゆびさして、一点に視点を集中させて見る
準1級レベルの漢字は、祷、祐など。
祷 禱の簡易字体(許容字体)
いのる、祈祷。
祐 神の助け
そのため、こちらの「祐子」さんは「しめすへん」
(裕子さんは、ころもへん)
※祝は会意文字 そのほかは形声文字
続いて、ころもへん(衣 衤)の漢字
ころもへんは、漢検2級までで9文字
(衤のみ、衣は除く)
複、補、被、裸、褐、襟、裕、袖、裾
初 部首は刀
刀で衣服を裁断するという分かりやすい会意文字
(二字以上の漢字の字形・意味を合わせて作られた漢字。)
複 かさね着
補
衣類のほころびに他の布のたすけをかりて、つくろう。
被 毛皮のようにおおう夜着
裸 なめくじのような「はだか」
(現代とのギャップを感じる文字の由来)
褐 粗末な布で作った衣服。
褐色かっしょく(濃い茶色)
襟 えり(=衿 漢検準1級)
裕 多くのものを取り入れる、衣服が多い
裕子さんは、ころもへん
袖 そで
裾 すそ
準1級以上の漢字(一部のみ)
準1級
袴(はかま)、袂(たもと)
裡(裏と同字)
成功裡せいこうり、脳裡のうり
1級 裃 かみしも 褌 ふんどし
褥
漢検1級レベルですが、医療・介護用語では使われています。
褥瘡(じょくそう)、産褥期(さんじょくき)
襷 たすき(欅「けやき」と似ているので、すこしだけ有名に)
襌(褝)
タン(音読み) ひとえ(訓読み)
裏のない着物、はだぎ、下着
(裸ではなくて禅に、一画たしたもの)
おまけ
部首の衣(ころも)は、袁、褒、衰のように、上下に分割されているものもある珍しい部首。
参考にした漢和辞典、ウェブサイト
新漢語林