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他言語とくらべてわかる英語のしくみ
宍戸 里佳
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ドイツ語など、ヨーロッパの諸言語と比較しつつ、英文法を復習する本。
ドイツ語の先生が書いた英文法の本。
ドイツ語に詳しい人の視点から見ると、英語は、文法が簡略化されすぎて、かえって根本が理解しにくくなっている言語。命令形になっても動詞の形は変わらない、仮定法の大部分は過去形と同じ形、目的格になると形が変わるのは一部の代名詞のみ、不定詞は何が不定なのか不明。こうした文法事項を、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ラテン語と比較しながら復習。ポイントは「形は同じでも内容は異なる」事柄を、整理して理解すること。
率直に言って、英語が苦手な人に勧めると顰蹙を買いそうな気がします。また、それなりに英語が得意な人の場合でも、ここまで理屈っぽい解説を好むのかは人それぞれかもしれません。
一方、比較的年配の人が「英文法が重視されていた時代」「ドイツ語やフランス語に、それなりの存在感があった」時代を懐かしむには良い内容だと思います。
色々な言語に興味のある語学好きの人にも良さそう。
個人的に感心したのは比較級で使うthanの説明。thanは、本来は接続詞ですが、最近は前置詞的に使うということ。大昔に比較級を習った時のことを思い出しました。