誤解されやすい方言小辞典 篠崎 晃一
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東京のきつねが大阪でたぬきにばける 誤解されやすい方言小辞典 [ 篠崎 晃一 ]
話し手も聞き手も方言だと気付かない「気づかない方言」を集めて、方言が使われる地域、意味、使い方を説明した本。
1ページに1項目、約200語を収録。50音順に収録されていますが、辞書と言うより、単語帳や方言コラムのような内容。
この本に収録されている単語の多くは、「あまる」「いか」「うら」「くっつく」
「くむ」「くれる」「くる」と言った共通語でも、よく使う単語。しかし地方によっては、共通語とは違う意味、方言独特の使い方がある単語です。共通語に、方言独自の意味が加わっているので、話し手も聞き手も、共通語だと思って、方言だと気づかないことが多い単語です。
明治以前の文献に登場する用例も紹介されているので、方言を通して日本語の歴史にも触れられるようになっています。
以下、印象的だった項目のメモ
ガレージは、この本に収録されている唯一の外来語。
京都では有料駐車場を意味するとのこと。
くる 九州・沖縄では行くの意味で使う
「やる」と「くれる」の両方の意味で、「くれる」を使う地域も多い
(土佐日記にもある古い用法)
におう 西日本では嗅ぐの意味も
ゆきやけ 共通語では、日焼けのように肌が黒くなること。
北海道などでは「しもやけ」という意味。
はんごろしは、ぼたもち(東北など)
たからものは「なまけ者」「役立たず」(北海道、東北)
「わに」はサメ(鮫)(島根、広島)
ちりは、ゴミ(九州南部、沖縄)
なげるは、捨てる(北海道・東北)