|
今こそ知りたい!がん治療薬オプジーボ (健康人新書) [ 佐々木治一郎 ]
一時期、非常に話題になったオプジーボ(ニボルマブ)に関する一般向け解説書です。約1年前、2017年2月発行の新書。
がんの三大療法である手術、薬物治療法、放射線療法、そしてオプジーボの登場もあり注目度が高まっている免疫療法の中から、薬物療法と免疫療法について解説しています。
免疫のブレーキを解除する「がん治療薬」オプジーボ(免疫チェックポイント阻害薬)。今までの抗がん剤や分子標的薬、免疫療法とは異なるアプローチによる画期的な治療薬。しかし、それは全てのがんに効くとか、副作用が全く無いという意味ではないとのこと。この本では、オプジーボの特長とともに、問題点も平易な言葉で解説されています。(この本が執筆された時点では)特定の患者さんに効果があるかは使ってみなければ分らないとのこと。また抗がん剤のような副作用は起こらない代わりに自己免疫疾患のような副作用が起こる可能性もあるとのこと。
その他にも、がんのメカニズムについて細胞レベルで解説されています。
(がん細胞の特性など)
治療法の選択に際しては、エビデンスに基づく標準治療を選択することを勧めています。
この本の巻末には「著者の利益相反開示事項」が載っています。オプジーボを販売している小野薬品を含む複数の製薬会社から、講演料や寄付金を得ていることを開示しています。しかし、この本はオプジーボの宣伝と言うよりは、冷静な判断に基づく適正な使用を促す内容になっていると感じました。
(自分は、たまたま図書館で見かけて借りてきただけなので、この分野に詳しい人が、どういう評価をされるのかは残念ながら分かりません〕