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鉄オタ道子、2万キロ 不適切な表現

テレビ東京の金曜深夜ドラマ

「鉄オタ道子、2万キロ 」
女優の玉城ティナ(たましろてぃな)が、鉄道で旅をして秘境駅などを訪ねるドラマです。都会の喧騒とは対照的な「のんびりとした雰囲気」が魅力的な作品。
このドラマの公式ホームページに次のような告知が。
(ブログ作成時点)

 

www.tv-tokyo.co.jp

 

(以下引用)

2022/01/28 — 【お詫び】1月21日(金)に放送したドラマ25「鉄オタ道子、2万キロ」において、一部不適切な表現がありました。深くお詫び申し上げます。このため広告付無料配信および有料配信を一時停止しておりました。現在は再開しています。利用者の皆様にお迷惑をお掛けし、重ねてお詫び申し上げます。
(引用終わり)

 

この表現では具体的に何が問題になったのかは分かりません。

しかし放送を見ていて個人的に気になった表現はありました。

 

それは「鉄オタのメッカ」と言った表現です。
(記憶が曖昧なので不正確かもしれません)

 

辞書で「メッカ」を引くと、「1 サウジアラビア中西部にあるイスラム教の聖地。」という元々の意味の他に、「2 ある物事の中心地として、それに関係する多くの人が集まったりあこがれたりする場所。「映画のメッカ、ハリウッド」」という意味も載っています。(デジタル大辞泉


この意味は、デジタル大辞泉だけでなく広辞苑明鏡国語辞典にも載っています。(社会的に)不適切な表現には注釈をつけている明鏡国語辞典でも、特に注釈はつけていません。


しかし市販もされている共同通信社の「記者ハンドブック新聞用字用語集第13版」では、「誤りやすい語句」の項目で、「メッカは比喩には使わない」と明記されています。「密貿易のメッカ」という表現は「密貿易の中心地」と言い換えるという例が載っています。

 

一方、アニメやオタク文化の世界では、聖地という表現が使われて定着しつつあります。最近の言葉を積極的に収録しているデジタル大辞泉では、聖地は「神聖視されている土地。」という本来の意味の他に、「2 特定の分野において重要な場所。あこがれの場所。「高校球児の聖地甲子園」」と言う意味も掲載しています。

 

メッカを比喩として使わないと言うのは、あくまでも新聞社や放送局などの社内向け規則です。(共同通信社など一部の新聞社は、社外にも公表しています)
そのため厳密には不適切な表現なのかは判断が難しいところです。


しかし、適切な表現と不適切な表現の線引きは困難です。
また「聖地」とか、熱心なファンによる「聖地巡礼」と言った表現が定着しつつあるという事情もあって、「メッカ」という比喩は、ほとんど使われなくなったのでしょう。

 

ただ、ある程度以上年上の世代(40代以上でしょうか)にとっては、聖地と言うよりも「メッカ」という「不適切な比喩」の方が、しっくりくるのかもしれません。

 

参考サイト
比喩で使われた「メッカ」について。

2001年から2009年ごろの使用例

 

読売テレビ 道浦俊彦 とっておきの話
ことばの話490「メッカ」