感想 その1
sukinakoto-happy.hatenablog.jp
映画LDKの感想は、随分長々と書いたのですが、さらに書いてみたくなりました。
普通の常識で考えると、ツッコミどころ満載の、この映画。つい、週刊誌のような似非正論で批評を書きたくなってしまいます(前回ブログに書いた記事にも当てはまりそう)。しかし、この映画は、常識で批評するのではなくて、「小学生ぐらいの女の子が空想する高校生活」を実写化したものと考えたほうが理解しやすいような気がしてきました。
以下は映画のエピソードを長々と列挙したもので、ネタバレも色々と含まれています。
女の子の妄想では
(以下、想像の世界)
私は高校生になったら、風情あるおしゃれなアパートで、
学校で一番のイケメンと同棲生活。
毎朝、二人並んで歯磨き。
お出かけのチューをしてから、学校の皆にばれないように10分ずらして学校に。
放課後は、おしゃれなカフェでアルバイトをしているイケメンの彼。
彼は美貌を活かしてモデルのアルバイトをすることも。どんな美女に囲まれても絶対に浮気はしない彼。
私の親友、萌(もえ)は、昔、私の彼氏に告白して振られたことがある。でも今は、お似合いの彼氏ができて満足そう。高校を卒業したら、4人でダブルデートする約束。
彼氏のために、予算は節約しつつ、美味しい料理を作る私。
彼は、時間があれば、エプロンをつけて料理を手伝ってくれる。料理も、どんどん上達している。洗濯物のたたみ方も、最近覚えてくれた。
お風呂上りには、ドライヤーで私の髪を乾かしてくれる彼。
雷が鳴って不安で眠れない夜には、優しく手を握ってくれる。
本気で喧嘩すれば男の子にも勝てそうな私。
(成長の早い女の子は、男の子よりも強い)
そんな生活をしていると、彼氏の「いとこ」とも同居することに。
いとこは、女の子に見た目で点数をつける失礼な男の子。
(小学生なら、実際に、いそうな気もします)
でも、喧嘩したときには、彼の手作りプリンで仲直り。いとこも本当は優しい人。
3人で朝ご飯を食べて、3人並んで歯を磨き、高校に通う日々が始まった。
(ここまで、女の子が夢想する世界)
大人が考える現実を基準にしてストーリーが展開するわけではなくて、「女の子が想像する世界」が展開しているような気がします。それを実写映画にすることで生まれる独特の個性と面白さ。この世界観を受け入れられるかで、映画の評価が変わってくると思います。
高校の授業で、どんな勉強をするのかは、まだ知らないので想像の世界には出てきません。宿題とか受験勉強とは無縁の高校生活。でも彼氏は勉強ができるので、大学を受験するかも。
女の子の妄想は、さらに加速して、映画後半では、二人のイケメン(彼氏といとこ)は、家出した私を追いかけ、奪い合い、本気で大喧嘩をすることに・・・・
そして最後はハッピーエンドを迎える高校生活。
シネコンでは10以上の作品が同時に上映されている時代。一つぐらい、こんな映画があってもいいと思います。男の子は性欲を我慢できないとか、上白石姉妹は本当は帰国子女なのにとか、そんな話は映画を見ているときには忘れてしまう魅力があると私は思います。
ストーリーのほかに、もう一つ印象的なのは、顔をくしゃくしゃにするような
上白石萌音の笑顔。こんなに顔をくしゃくしゃにする女性芸能人は関根麻里ぐらいしか思い浮かびません。女性同士が一緒にいるような笑顔で同棲生活を送るヒロイン。女性客を想定していることから、上白石も独特の表情を見せているような気がします。個人的には見ている人の心が癒される魅力的な笑顔だと思います。