好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

ドラマ 透明なゆりかご

5月17日からスタートするNHKの朝ドラ「おかえりモネ」
それに先駆けて、ヒロインを演じる清原果耶が主演したドラマ「透明なゆりかご」の再放送がありました。


産婦人科の病院を舞台としたドラマなのですが、全ての命が無事成長できるわけでもないし、全ての命が望まれて生まれてくるわけではない。それどころか母体まで危険にさらされることもある。そういったテーマを真正面から描いた力作です。
そんな病院での見習い看護婦(正確には看護助手)を16歳で演じきった清原果耶は才能の塊のような女優なのでしょう。


 それだけでも非常に大変な状況なのですが、このドラマでは主人公、清原果耶演じる青井アオイには、発達障害ADHD)があるという設定になっています。

 

発達障害で人の気持ちが分からないことに悩む主人公。
悲劇的な場面に遭遇しても、発達障害によって、とりあえずもっともらしい言葉を発してしまいます。


それを患者に寄り添った看護と都合よく解釈する先輩看護婦(水川あさみ演じる望月紗也子)

 

何となく、もやもやした気持ちを抱えながら、ユーチューブで上白石萌音の歌う「一縷」という曲を聞いていました。

 

www.youtube.com


「悲しみは 何気ない顔で 

こちらを見るだけ 何も言わず


鏡のように 

私の心が傾く方角を 知りたげに

 

涙も 言葉も 笑いも 嗚咽も 

出ないような心


人はいまだ 名前もつけられずに 

泳がし続ける」

 

人によって考えはそれぞれでしょうが、私の感覚だと「一縷」の歌詞のような感性のほうが自然で、「透明なゆりかご」の主人公青井アオイのような態度は非常に危ういように感じます。

 

また主人公が精神科に通ってちゃんと服薬することで、発達障害ADHD)があっても、無事看護婦になれるという描き方は、個人的には好きではありません。薬が解決するみたいな描き方ではなくて、得意なこと不得意なことが人とは違っているという現実との向き合い方が見たいと思いました。

 

「透明なゆりかご」というドラマは、産婦人科をとりまくシビアな現実を描くという意味では傑作なのかもしれません。しかし発達障害の描き方に関してはご都合主義のような部分もあると感じました。

 

 

蛇足
一縷のミュージックビデオ。この歌が主題歌になった映画「楽園」に出演しているのは、5月15日に最終回を迎えた「おちょやん」のヒロイン杉咲花
上白石萌音は秋にスタートする朝ドラ「カムカムエヴリバディ」のヒロインの一人です。