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知っているようで知らない免疫の話 西村尚子 


 

 

知っているようで知らない免疫の話 西村尚子 技術評論社 2010年 8月 

 

医学よりも生物学的な視点にこだわった免疫の話(科学読み物)


著者の西村尚子は医師ではなくサイエンスライターで、
図書館でも、医学の棚ではなく生物学のコーナーにありました。

 

細菌が、さらに小さいウイルスから自分を守る仕組みから初め、原索動物のホヤ(貝みたいな珍味として食用にされる)、昆虫、植物、鳥類、魚類などの免疫を見て行きます。ヘビやワニなどの爬虫類は、研究しづらく、ほとんど解明されていないとのこと。

 

多くの生物が、ウイルスや細菌がから自分を守る仕組みを持っている一方で、
「同じ感染症に二度かかわらない」という意味での免疫(獲得免疫)を持っているのは一部の生物に限られるとのこと。

 

 

後半は人間の免疫に関する話ですが、基礎的な内容は駆け足で済ませて、
ノーベル賞を受賞した利根川進の研究や、がんの免疫療法、エイズ治療薬、
新型インフルエンザとタミフルと言った最近の話題を中心に取り上げています。
(この本が出版された2010年は、新型インフルエンザが流行した翌年)

 

細胞やウイルスレベルの話が中心で、高校生が、たんぱく質や遺伝子と言った概念に慣れるのにも役立ちそう。

 

すぐに試験を受ける必要がある人や、アレルギーなど免疫関連の病気に悩んでいる人にとっては、実用性に欠けるかもしれませんが、生物が好きな高校生が夏休みに読むのには良さそうです。