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精神疾患とその治療 (放送大学テキスト)


 

 

最近精神医学に興味があって、入門レベルの教科書がないかと図書館で探していた時に見つけた本です。放送大学のラジオ科目の教科書です。(私が読んだのは学生向けではなくて、一般書籍として市販されているものを、図書館が購入したものです。)

 

公認心理士資格取得対応科目とのこと。どちらかと言うと医学や看護学を専門とする人よりも、主に心理学を学ぶ人のために開講された科目。統合失調症から発達障害認知症まで。読みやすい文章で幅広い分野をカバーできるテキストです。

 

私は、何十年も前の学生時代に、やはり心理学のおまけのように少しだけ精神医学を学んだのですが、当時とは用語が大きく異なっています。


ヒステリーや精神分裂病はもちろん、神経症という用語も使わなくなってきている現代の精神医学。てんかん認知症は、現代では精神科と言うよりも神経内科で診療されることが多いとのこと。

 

主任講師の石丸 昌彦先生は、東大法学部を卒業後、東京医科歯科大学を卒業して精神科医になったとのこと。そうした経歴も影響しているのか、精神医学の専門用語を、一つ一つ丁寧に解説しています。変化が非常に激しく、分かりづらい専門用語を、かつての用語と現代の用語を関連づけながら、交通整理しています。

 

現代使用されている用語にも問題はあり、発達障害などは適切な用語なのか議論があるとのこと。特に英語のdisorderという単語は、日本語の障害という語とはニュアンスが大きく異なり、本来訳語としては不適切とのこと。

 

一方治療法に関しては、20年前にはアイデアの出されていたものが多く、それほど変わっていないという印象を受けました。(それぞれの分野で経験の蓄積があるのでしょうが)

 

最後まで通読できる精神医学の教科書。
2020年4月開講科目、2021年4月からも再びラジオで放送予定。
RADIKOでもネット配信)

 

精神疾患とその治療 (放送大学教材) [ 石丸 昌彦 ]