好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

笑う免疫学 藤田紘一郎 ちくまプリマー新書


 

 

サナダムシなどの寄生虫博士として有名な藤田紘一郎による免疫学入門。免疫とは他の生物との共生のための手段である。免疫力の70%は腸で決まり、30%は心で決まる。著者独自の見解もふまえながら、免疫と腸内細菌について解説しています。

 

微生物学と免疫学は隣接領域とされています。微生物と人間の関わりを考えるのが免疫学のメインテーマとも言えます。とは言え免疫学そのものが専門の人による免疫学の講義と、微生物学が専門の人による講義には違いがありそうです。この本の場合は、免疫そのもののメカニズムよりも、腸内細菌や食事、ストレスと言った免疫に影響を与える要因の解説に重点を置いた構成になっています。(笑う免疫学と言うタイトルも、よく笑うと免疫が強化されることに由来します)大学で学ぶような専門的な免疫学よりも、一般の人向けの免疫学に近いと言えるかもしれません。

 

その一方で免疫そのものに関する解説は簡略で、駆け足で進行します。文章は読みやすいのですが、説明内容を理解するのは少し大変かもしれません。

 

この本を普通の人(文系の高校生など)が読めば、「免疫学はやはり難しい。けれど健康的な食事、ストレスをためない生活が大切と言うことは分かった」と言った結論になりそうです。それはそれで良いのかもしれません。

 

ちなみに著者が腸内に飼っていた寄生虫(サナダムシ)は、人間の免疫の働きを抑える物質を分泌しているので、人間の腸内で生き続けることが出来るとのことです。

 

笑う免疫学 自分と他者を区別するふしぎなしくみ (ちくまプリマー新書) [ 藤田紘一郎 ]