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赤塚不二夫「ギャグゲリラ」


 

 

おそ松さんの原作おそ松くんや天才バカボンが連載中だった頃(40年以上前の話)、週刊文春で連載が始まったのがギャグゲリラ。赤塚不二夫には珍しい時事マンガです。図書館にあった文春文庫の傑作選を読んでみました。

 

連載期間は1972年から1982年。全510本から69本が収録されています。

 

1973年にはピカソ死去、76年には田中角栄前首相逮捕、77年には200海里にまつわる話が。1979年には銀河鉄道999のパロディ(下ネタも)。同じく1979年には当時のKDDが海底ケーブルを敷く話も。(海底ケーブルって意外と昔からあるんだなと感心)1980年には山口百恵が引退。時代の変化を感じさせるのが、プロ野球の巨人ネタが多いこと。王、長嶋、江川と言った往年のスター選手が登場します。

 

当時の週刊文春は男性読者がほとんどだったようで、青年誌のような下ネタも。

 

個人的に驚いたのは1978年と言う早い時期にテレビゲームの話が出てくること。1977年に既に任天堂の「テレビゲーム15」が発売されてたとのことで、ポンあるいはシンプルなテニスゲームみたなものに夢中になる人々が描かれています。最後のコマでは「テレビゲームのプロ第一号誕生だ!」というセリフも。

ちなみにインベーダーゲームの話が出てくるのは翌年の79年(発売は78年)

 

巻末には週刊文春の歴代担当者の座談会が収録されています。文春の編集者が時事ネタの候補を持ち込んで、赤塚不二夫やスタッフ達と編集会議を行って何を描くのか決めていたとのこと。ビートたけし東スポや週刊誌でやってる放談コラムと似た作り方でしょうか。

 

おそ松くんや天才ボカボンのような爆発力はないものの普通に面白い話が多いというのが個人的な感想です。フルパワーを出す代わりに長続きしたと言う意味でも赤塚不二夫には珍しい作品かもしれません。

 

週刊文春「ギャグゲリラ」傑作選 (文春文庫) [ 赤塚不二夫 ]

 

 

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