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「共感」コミュニケーション 世界のどこでも、誰とでもうまくいく [ 石川幸子 ]
書名が長いので、ブログのタイトルは異文化「共感」コミュニケーションと意訳してみました。本気で世界の人々と(もちろん日本の人々とも)良好な人間関係を築きたいと思っている人のために、著者の石川幸子(いしかわさちこ)が長年の経験から会得した秘訣を伝授しています。
ネット検索をすると同姓同名の人が出てきますが、この本の著者は東南アジアを中心とする国際関係、異文化コミュニケーションの専門家です。
異文化とのコミュニケーションに必要なもの。
それは語学力以上に、相手に共感する力。そして外国人に対する優越感や劣等感から自由になること。コミュニケーションのテクニックは、それから後の話。
本のタイトルや目次を見ると、綺麗ごととか理想論と思う人もいるかもしれません。そういう人は、最後の第5章から読むと、一見綺麗ごとのようにも見える著者の主張は、一筋縄では行かない手ごわい相手との交渉経験に裏づけられたものだと分ります。
非常に社交的で誰とでも壁を作らずに親しくなれる人、英会話が非常に得意な人を思い浮かべてみると、確かに、この本で紹介されている特徴を自然と身に付けている人が多いと思います。しかし、ほとんどが女性のような気がします。男性にとって、パワーに対する意識(お互いにマウンティングするような意識)から解放されてフラットな人間関係を作るのは難しいことかもしれません。
この本に書かれているコミュニケーションの秘訣は、日本社会とかマスメディア、民主主義の嫌な部分と裏表の関係にあるような気がします。そのため、住みやすい社会、良好な人間関係について真面目に考えたい人には参考になりそうです。一方で、極端に偏った思想に染まっている人には、見つかって欲しくない1冊という気もします。