居場所と意識の矢印
1か月ほど前の「はてなブログ」で読んだ記事
この記事で紹介された「仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方」という本を読んでみました。「人間の記憶の性質を知ることで、仕事のミスを減らす」ことがテーマです。
その中でも、特に参考になったのがコミュニケーションミスがテーマの第3章です。
コミュニケーションミスの主な原因は、話し手と聞き手が別々の記憶を参照してしまうこと。そのため話が噛み合わなくなってしまいます。こうした状態を防ぐには、意識の矢印(意識の方向、関心)を自分の記憶に向けるのではなくて、相手が参照している記憶に向けること。ビジネス書なので、「厳密には不可能ではないか」みたいなことには、それ程こだわらずに説明されています。
この本の内容は、ビジネスの場面だけでなく、居場所づくりを考える時にも役に立ちそうなのでメモしておきます。
コミュニケーションミスが起きる状況を「居場所がないと感じる状況」、良いコミュニケーションを「良い居場所」に置き換えています。
居場所がないと感じる状況
一人、一人の意識の矢印が、その人にだけ向いていて他者に関心がない。
他者を外見や成績など、表面的なことだけで判断して、各人の内面(それぞれが持っている記憶)に興味がない。
一見会話があるように見えても、次のような状況では、コミュニケーションがうまくいかず、居場所がないと感じがち。
事柄(一般論や世間話)ばかりの会話
会話泥棒
誰かに話しかけても、聞き手の意識が聞き手自身の記憶にばかり向いているので、いつの間にか話題を取られてしまう。
沈黙を恐れて、とにかく何かしゃべろうとする。
一方、良い居場所では
一人、一人に適度に意識の矢印が向いている。
自分の仕事や勉強、趣味に集中する人。
誰かと会話する時、話している人に意識の矢印を向けて聞いてくれる人がいる。
自分の記憶に意識を向けるのではなく、無知の姿勢(Not Knowing)で、聞いてくれる。
ユークエスチョン
主語を相手にして質問してくる人がいる。
(私のことに興味を持って、私に関することを質問してくれる人がいる)
沈黙も「応え」の一つとして大切にされる。
「仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方」という書名から連想される内容とは異なり、居場所づくりにも色々と役立ちそうな内容でした。
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電子版や図解版もあります。
図解版
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