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偽科学を批判するなら、こういう記述にはがっかり

図書館で借りてきた「 図解 身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本」
著者の左巻健男氏は、「新しい科学の教科書」シリーズや、最近では偽科学批判で有名。

 

この本の40ページには、次のように書かれています。

 

(以下、引用)
「(パスツールは)自然発生は絶対にあり得ない」ことを証明しました。

(引用終わり)

 

私は生物には全く詳しくない文系人間なのですが、微生物に関する本を何冊か読んでます。そのためパスツールの実験のどこに問題があったのか理解しているつもりです。簡単に言うと、今では熱湯でも死なない微生物が見つかっているので、パスツールの実験は不完全だったわけです。(「白鳥の首フラスコ」の実験)

 

この本の記述は、普通なら、それほど目くじらを立てるようなものではないかもしれません。厳密性にかけるとは思いつつも、小中学生相手だとこういう説明をしてしまうし、学生のレベルが上がるのに合わせて正確に解説する。それで問題ないといえばないのですが、「偽科学批判」に力をいれてる人が書いた文章としては、正直がっかり。

 

パスツールの実験は「どこに問題があったのか」、今では、はっきりわかっている実験です。傷のある実験、問題のある研究に誠実に向き合ってきた歴史こそ、科学と偽科学を分けるものだと思うのですが、この本のような説明だと、科学と偽科学の違いが伝わりません。

 

基礎的な科学の話を読みながら、科学と偽科学は違うんだと実感できる本を期待しています。