好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

養生訓 図解雑学 帯津良一 ナツメ社

養生訓 図解雑学 帯津良一 ナツメ社
発売日: 2010年02月
著者/編集: 帯津良一(おびつ りょういち)
出版社: ナツメ社
発行形態: 単行本
ページ数: 231p
ISBNコード: 9784816348426
ブログ投稿時は品切れ

 

少し前に養生訓の現代語訳に対する感想を書きましたが

養生訓 貝原益軒 の読みやすい現代語訳

元々は、図書館で、たまたま「図解雑学養生訓」を手に取り興味を持ったのがきっかけ。現代語訳が別の図書館にあったので、現代語訳のほうが先に読み終わりました。

 

こちらは見開き2ページ1項目で、養生訓のポイントを解説しています。
現代語訳よりも、さらに短時間で読めるのがメリットかもしれません。

 

養生訓の食事に関する部分は大切だなと、あらためて実感。
その一方で、北枕や食べ合わせに関する部分は現代的な観点では迷信に近いこと、
鍼灸に関する考え方が変化してきていることなども分りやすく説明してあります。

 

著者である帯津良一医師は代替療法に詳しくホリスティック医学、中医学ホメオパシーにも言及していますが、この部分は好き嫌いが別れそう。
養生訓同様、現在の代替療法も全面的に信じ込むのではなく、根拠のあるものから不明確なものまで混在してると思って読むのが良いのかもしれません。

(将棋の本)振り飛車入門 戸辺誠

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振り飛車入門【電子書籍】[ 戸辺 誠 ]
価格:1331円 (2017/9/16時点)


 

振り飛車入門【電子書籍】[ 戸辺 誠 ]

 

(実際に読んだのは図書館から借りてきた紙の書籍です)

 

最近、小学生と将棋を指す機会があったので、図書館から簡単そうな本(振り飛車入門)を借りて来ました。小学生に教えると言うよりは、小学生に負けたくないと言う気持ちから。


将棋には原始棒銀とか原始中飛車と言った初心者向けの戦法がいくつかありますが、この本は、初心者向けの四間飛車を解説したものです。(四間飛車の定跡とは異なる部分もあります)


まずは角道を止め、飛車を振る。そして美濃囲いを作ってから、棒銀などで、どんどん攻めるという作戦です。攻撃力も守備力も結構あるので、まだ定跡を知らない初心者相手には圧倒的に有利になりそうです。(居飛車穴熊とかを知ってる相手には通用しませんが)


最後の章には、3手目に先手が角を交換するパターンも紹介されていて、ほとんどの戦法に対応できるようになっています。


この作戦の、もう一つのメリットは駒落ち将棋にも使える点。実際に、上手の加藤一二三九段と乃木坂46の伊藤かりんの対局(4枚落ち)でも、伊藤かりん四間飛車を採用していました。

 

どちらかと言うと、ちゃんと勉強して強くなりたいと言うよりは手っ取り早く身近な相手に勝ちたいと思っている人向き。あんちょこや虎の巻的な内容。
そう言うと馬鹿にしているみたいですが、身近な人と将棋を指す場合には重宝する内容だと思います。

アトピーと食物アレルギーに関する臨床試験 参加者募集中(毎日新聞)

毎日新聞から

食物アレルギー
発症予防の研究開始 皮膚炎治療で

毎日新聞2017年9月11日 19時06分(最終更新 9月11日 19時06分)

mainichi.jp

 

 

研究に関する公式サイト(研究に関する詳しい内容が書かれています。)

paci-study.jp

 

 

以下、ブログ投稿者による感想です

 

アトピー性皮膚炎関連で使われる用語を使うと、
アトピーの赤ちゃんに対するプロアクティブ療法は、食物アレルギーを予防する効果があるか」を検証する研究のようです。
プロアクティブ療法はアトピー性皮膚炎の治療法の一つ。にきびのCMのプロアクティブとは無関係)


赤ちゃんを対象とする研究なので、一般的に行われている治療法から大きく逸脱せずに詳しいデータを得ようとする立場のようです。


20年から30年ぐらい前は、食物アレルギーが原因となってアトピー性皮膚炎になるという立場も多かったのに対して、現在ではアトピー性皮膚炎が食物アレルギーにつながると言う考えが多くなっています。

 

その考えを前提とした上で、どの程度積極的にステロイドを使うべきかのデータを集めることが目的と言えるでしょう。(毎日新聞の記事にも「ステロイドを塗る」と明記されてるので、事実上、ステロイド治療に関する抵抗感のない保護者を対象としている研究)

 

アトピーとアレルギーに関して、かなり知識のある人でないと、完全に納得して参加するのは難しいのではないかと、個人的には思います。

 

養生訓(貝原益軒)の読みやすい現代語訳


 

 

養生訓 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ) [ 貝原益軒 ]

 

 

貝原益軒の養生訓は江戸時代の健康指南書、家庭の医学的な内容です。
漢方や伝統医学の本は、漢方薬が羅列されているようなものが多いのですが、この本では一般の人向けの健康法(養生法)がメインの内容で、現代人のメタボや生活習慣病の予防、改善に役立ちそうな内容も多く含まれています。食べすぎに注意、肉の取り過ぎに注意、淡白な味付けが良いなど、健康的な食習慣の重要性を繰り返し述べています。

 

 貝原益軒は臨床医ではなく、儒者で。本草学者(薬学研究者)。漢方の古典に関する知識が豊富で、現代では基礎医学研究者のような立場。

そのため医者が患者をどう治療するかと言う視点ではなく、なるべく医者にかからないためには、日ごろから何をすべきかと言う予防医学の立場で書かれています。

 

また良い医者の選び方にも、詳しく言及しています。当時は内科が中心で(鍼と灸を除くと)外科的な治療が発達していなかったこともあり、知識が豊富で、よく勉強している医者を良い医者としています。(ある意味単純明快な感じもします)

 

 


後半は現代で言う漢方に関する記述も多く、現代の漢方医学に親しんでいる人には、現代の漢方医学と比較してみると面白いかもしれません。

 

漢方医学に関する記述も一般の人向けに分りやすく書かれています。

 

まだ日本漢方と中医学の違いを、それほど意識せず、中国の医学を日本人の体質や日本の気候、風土に合わせて修正すれば良いと、ある意味、単純に考えていた時代。


診察法と言うと脈診が基本のようで舌診や腹診には言及されていません。


また今では漢方薬は食前に飲むというのがルールのようになっていますが、当時は、まだ定着していなかったようです。


現代でも日本の薬剤師さんの多くが甘草の取り過ぎに注意を払って、お薬手帳をチェックしたりしていますが、養生訓にも甘草の取り過ぎを戒める内容が出てきます。


医学書を列挙した章もありますが、現代では有名な傷寒論や医心方が載っていません。

 

 

 

この本の表紙には「187分で読めます」と書いてありますが、比較的大きな活字とは言え350ページ以上あり、実際には、もっと読み応えのある本という印象です。自分とは無関係の他人事と思って読めば、すぐに読み終わってしまうかもしれませんが、自分の健康と直接関わる内容であり、また現代とは異なる儒教的な考えも所どころに出てくるので、気になり始めると結構時間がかかりそうです。

 

普通のビジネス書と違って、じっくり味わって読むのが良い医学読み物だと思います。

養生訓 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ) [ 貝原益軒 ]

かゆみとストレスに関する新刊本


 

図解 がまんできない!皮膚のかゆみを解消する正しい知識とスキンケア [ 小林美咲 ]

 

非常に長いタイトルですが、かゆみに関する理解と対処法に重点を置いた、
「最新版、家庭の皮膚科学、皮膚科の医学」と言った内容の1冊。
ストレスの影響とスキンケアを特に重視して詳しく説明しています。
(2017年5月発行)


監修の小林美咲医師は、「皮膚に聴く からだとこころ(川島眞) 」
にも登場する皮膚科心身症(心療皮膚科)のパイオニア的存在。アトピー心身症やストレス疾患と考える人が、ほとんどいなかった時代に、小林医師たちのグループがストレスによって掻いてしまう患者の存在を指摘していたことが紹介されています。また漢方専門医でもあり、アトピー性皮膚炎の補完的な治療に豊富な経験のある人のようです。(脱ステロイドのように標準治療を否定するのではなく、ステロイドを使いつつ、心身医学的なアプローチなどで補う立場)

 

この本自体は、補完的な治療法よりも、皮膚と皮膚病に関する基礎知識や、標準的な治療法、スキンケアの話が中心になっています。まずは普通の治療をすること、普通の治療で治らなくても、(誤診や特殊なケースを除いては)ステロイドによる治療を否定しないという立場です。その一方で、ステロイド以外の色々な治療法(免疫抑制剤や抗ヒスタミン薬、光線療法など)を考える前に、ストレスの影響を考える立場と言えそうです。

 

また特に女性の場合は、洗顔のしすぎや、角質の削りすぎと言った過剰ケアに陥らないように注意をうながしています。

 

極論が書いてあるタイプの本ではないので、皮膚科に関する最近の知識を得たい人、知識をアップデートしたい人向きの内容です。

 

図解 がまんできない!皮膚のかゆみを解消する正しい知識とスキンケア [ 小林美咲 ] 

(楽天ブックス

 

関連記事 (ブログの過去記事です)
皮膚に聴く からだとこころ 川島眞 PHP新書

原因を探らずに治すアトピー(清水良輔)
アトピー心理療法を詳しく紹介)

 

 

良い雑談、悪い雑談

少し前に、はてなブログのトップページ、お勧め記事に、雑談の技術に関するブログが紹介されていて、はてなブログらしいなと思うとともに、考え方は、人それぞれだなと思いました。

 

そのブログを見て、私も雑談について書いてみたくなりました。
仕事中に行う雑談は別として、日常生活で行う雑談の場合、良い雑談か、悪い雑談か、シンプルな基準に従って判断出来ると思います。

 

基準その1
自分の経験を話しているのが良い雑談(おしゃべり、近況報告)

自分自身とは直接関係のない共通の話題を話しているのが悪い雑談
(ワイドショー的な内容)

 

基準その2 
良い雑談は話している人の気持ちを大切にする。
悪い雑談は、その場の空気を重視する。

 

 

二つの基準を満たす「良い雑談」が出来ると、楽しいし、ストレス解消や癒しにもなると思います。また自分の考えがクリアになるカウンセリングのような効果もあると思います。

 

一方、悪い雑談をしていると、ストレスがたまり、本当の自分が分らなくなったりします。

 

雑談を含む、おしゃべりは、精神衛生上は毒にも薬にもなるものだと思います。
(そのため仕事の一環として、雑談を行う人は敢えて無難な内容を選ぶのが大切かもしれません)

 

個人的には誰とでも雑談しようとするよりも、良い雑談のできる相手(話を聞いてくれる人、興味を持ってくれる人)を見つけて、選んでいくことが大切だと思います。

 

聞き役になることが大切とも言いますが、聞き役と言うのは本当に向き不向きがあるものだと思います。


本当に聴き上手な人は、相手の顔を見つめたり、微笑んだり、うなずいたりしながら、相手を「良い雑談」に誘導しているんだと思いますが、誰にでもマネできるわけではないでしょう。最後まで話を聞くことが出来ないのに(集中力が続かないのに)相手の話に興味のあるフリをしている人と話していると、逆にストレスがたまるので、無理に聞き役になる必要はないと思います。

 

普通の人は、相手と無理に話をあわせる必要はないし、相手の話に無理に興味があるフリをする必要も無いと思います。

 

無理をしなくても、良い雑談を出来る相手を大切だと思っていることが伝われば、良い人間関係にも、つながっていくと思います。(自分の話を聞いてくれる人なら、その人の話にも自然と興味が持てる時もあります)

 

良い雑談、悪い雑談は、食事、睡眠、運動などと同様に、人生にも大きな影響を与えるものだと思います。

養老孟司 解剖学教室へようこそ (ちくまプリマーブックス)

20年以上前に出版された本ですが、図書館の医学コーナーに普通に置かれていました。最近の図書館は、本の入れ替わりが激しく20年以上前の本は少数。その中でも特に医学書は入れ替わりが激しいので、時々古い本が置いてあると目立ちます。図書館にあったのは単行本。現在では、ちくま文庫版が販売されています。

 

著者はバカの壁で有名な養老孟司。出版当時は東大教授。
想定読者は明示されていませんが、おそらく医学部志望の高校生を想定した内容だと思います。

 

基礎医学としての解剖学」がテーマ。
櫻子さんの足下には死体が埋まっている」などの刑事ドラマに登場する、司法解剖などを扱う法医学がテーマではありません。

 

まずは医学部での実習として行われる解剖について説明。
東大医学部の学生(当時)は二人一組になって実習書に従って2ヶ月近くかけて解剖を行う。(解剖する死体には防腐処置をしてある。)同じ解剖でも、死因を解明するために行われる病理解剖や司法解剖とは別物。

 

解剖実習について説明した後は、次のような内容になっています。
(以下印象的な内容を箇条書き)

 

死体から感じる恐怖(ぶきみさ)について
初めて解剖する人が特に恐怖を感じるのは眼と手(掌)である。
腹にメスを入れる時とは違った恐怖感がある。

 

解剖の歴史
ヨーロッパで解剖が始まったころは、骨の形が注目されて、ヴェサリウスの「人体の構造について」では、骨格が詳細に描かれている。

一方、日本で解剖が始まったのは江戸時代。杉田玄白の解体新書よりも前に、いわゆる「漢方医」の山脇東洋(やまわきとうよう)が行った解剖が最初(合法的に行われたものとしては)。当時の日本では骨格よりも内臓に興味があったので、解剖を腑分けと呼んでいた。

 

重要性を増す細胞学や分子生物学に関するガイダンス、イントロダクション的な内容。
人間の体を細かい部分にわけて理解しようとする場合、昔ながらの解剖のレベルにとどまらず、細胞や分子生物学的なミクロの世界を理解することが大切。この部分は医学部志望の高校生に配慮した教育的な内容と言えるかもしれません。

 

当時の解剖学教室は実習が中心で、講義する内容も研究課題もあまりなく、医学教育以外の役割は求められていなかった時代。そんな時代の雰囲気を味わうのにも良さそう。