好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

絵でわかる食中毒の知識/伊藤武/西島基弘


 


食中毒にテーマをしぼり、豊富なイラストを使って、実際の事例(事件)も紹介しながら解説している入門書。食中毒の話は、感染症や微生物の本にも載っていますが、ほとんどの本は駆け足で知識を詰め込むような内容です。この本は、もっと、じっくり学びたい人向けの1冊です。(主に、飲食業や、学校、福祉施設などで調理に関わる人向けの内容。また後半部では、ふぐや毒キノコ、トリカブトなど、毒を含む危険な食べ物についても説明しています。)

 

前半部は、微生物・寄生虫
サルモネラ腸炎ビブリオカンピロバクター、病原大腸菌黄色ブドウ球菌と言った細菌、ノロウイルスやA型、E型肝炎ウイルス、一時期話題になった寄生虫アニサキスなど。大規模な食中毒事件を紹介するとともに予防法を解説しています。現在でも生肉や生焼けの肉は決して安全ではないこと。ウエルッシュ菌のように熱に強い菌、ボツリヌス菌のように酸素が無くても死なない菌もいるので、適切な予防法が必要なことを解説しています。

 

後半は自然毒、化学物質編
自然毒を持つのは、フグ、巻貝、キノコ、スイセントリカブトなど。ジャガイモに関しては、大部分の食中毒は小中学校で学習用に栽培したもので、普通に八百屋さんやスーパーで買ってきたジャガイモでは、ほとんど食中毒は起きていないとのこと。日本の場合、普通にお店で売られている食材は、高い安全性が確保されていますが、それ以外のもの(海とか山で自分で取ってきたり、自分で栽培したもの)を食べるときには、充分注意する必要があります。

 

化学物質に関しては、サバアレルギーと間違えられることが多いヒスタミンによる食中毒。また不注意で洗剤が混入した例や銅鍋が傷んでいて食中毒を起こした例も。

 

イラストが白黒で、一部の文章が分りにくい(1つ、1つの文が少し長め)と言った難点もありますが、食中毒について理解したい人には役に立つと思います。

 

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