好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

脱ステロイド体験を描いたエッセイ漫画


 

アトピーの夫と暮らしています [ 陽菜ひよ子 ]

電子版もあります

 

初めに、お断りさせていただきますが、私は脱ステロイドを支持する立場ではないので、立場によっては不愉快に感じる方もいるかもしれません。

 

重症のアトピー性皮膚炎である夫と、その妻(漫画の作者)が脱ステロイドを決意し、アトピーを克服していく体験談を漫画にしたものです。

 

ステロイドの人にも色々なタイプの人がいて、アトピーガイドラインを皮膚科医のように読み込んで各種治療のエビデンス(科学的な根拠)を検討したうえで、あえて脱ステロイドを選んでいる方もいます。(はてなブログにも、そういう方がいたと思うのですが、今検索しても見つかりませんでした)一方、エビデンスと言う考え方が肌に合わないというか、馴染まない人も実際には多いのだと思います。

 

この本の著者(女性漫画家)は失礼ながら明らかに後者のタイプ。思い込みが激しく、何が科学的で何が非科学的と言った判断が出来ない、本当は出来るのかもしれないけど、そういうことに興味のないタイプの人です。

 

 本人は努力して脱ステロイドが成果をあげたと思っているようですが、意地の悪い私は、主治医の漢方医が患者を上手く手のひらで転がすようにして何とか病状を改善したと思ったりします。

 

一つ前の記事にも書きましたが、漢方医の多くは脱ステロイドではないと思いますが、患者が抱えるストレスに対処するのが上手い先生は多いと思います。現代の日本では、単に病気になっただけでは漢方医を訪ねることは少なく、病気が悩みになった時に漢方を選ぶことが多いと思うので。

 

酷い言い方ですが、この漫画の夫婦は、普通の皮膚科医にとっては、儲からない、大学病院勤務の医師にとっては出世にもつながらない面倒くさい患者でしょう。そういう患者を漢方医にまかせることで、大学病院の皮膚科医は自分の専門性を活かせる患者に集中できるし、漢方医に回された(漢方医を選ぶように自然と誘導された)患者も破滅的な結末にならずに済む訳です。代替医療の存在意義を考える時に興味深いケースではないでしょうか。

 

この場合の担当医は別に漢方医ではなくても良いわけで、本当に危険な状況には適切な介入が出来てストレスと皮膚病の関係を理解している皮膚科医(開業医)や心療内科医でも良いと思います。良い悪いではなくて、そういうタイプのお医者さんが必要とされているのは事実でしょう。

 

漫画としては、それなりに面白いのですが病気への対処法としては洒落にならない部分も含まれていると思ったので厳しいことを書いてしまいました。