好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

新しい科学の教科書(生物編)左巻健夫他


 

新しい科学の教科書(生物編) 現代人のための中学理科 [ 検定外中学校理科教科書をつくる会 左巻健夫 ]

 

ゆとり教育によって教科書の内容が大幅に削減されていた頃、教科書検定をうけない内容豊富な教科書(教科書風読み物)として注目を集めた、検定外理科教科書シリーズの1冊。図書館には学年別に編集された学年版が置いてあることが多いのですが、こちらは生物分野だけを分冊にしたもの。

 

中学理科の生物がテーマなので、小学校の理科(生物)と高校の生物(生物学)との橋渡しのような内容になっています。

 

目次を見ると、前半は高校以上の生物学の教科書よりも、小学校の理科を思い出すようなテーマになっています。
第1章 植物のくらしとからだのしくみ
第2章 植物のなかまと歴史
第3章 動物のくらしとからだのしくみ
第4章 動物のなかまと歴史

 

第5章の細胞・発生・遺伝は、タンパク質やDNAと言う用語も登場し、高校生物のイントロダクションのような内容です。ただし遺伝子やタンパク質と言った「生物学」に関する記述は、それほど多くなく、第6章以降では、生物の進化、宇宙と地球、生物の歴史、環境問題と言った内容を扱っています。

 

アフリカのライオンとヌーなど、様々な生物が多様な方法で環境に適応していることを繰り返し紹介した後で、後半、生物の進化を扱っているので、「進化に目的はない」という説明が特に印象的でした。


中学生向けの参考書は、あまり図書館に置いてないので、中学理科を復習してみたくなった大人にとっては便利だと思います。

 

個人的な感想としては中学校の生物は様々な「生き物」が登場し範囲が非常に広いので、詳しく学ぼうとすると大変そう。ゆとり教育の本来の目的のように、興味を持ったテーマを選んで学習したほうが楽しそうと、この本の目的とは反対のことを思ったりしました。

 

 

新しい科学の教科書(生物編) 現代人のための中学理科 [ 検定外中学校理科教科書をつくる会 左巻健夫 ]