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東大OBが書いた東大理系男子が主人公のラブコメディ。(2011年に単行本が刊行)
主人公は東大農学部の大学院で化学実験にあけくれる化学の天才、大学院生の藤村桂一郎。そんな主人公が恋に落ちて、極度のスランプに。そこに妖精のような死神(?)が救いの手を差し伸べるというファンタジーラブコメディ。
ミステリー小説を紹介する「はなてブログ」で紹介されていたものです。
『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作ですが、ミステリー要素は希薄。
謎を解くというよりも、ストーリーが展開するにしたがって、秘密が明らかになっていく物語。
謎解きよりも、人生における選択が大きなテーマ。科学者を目指すのか、企業に就職するのか、恋愛は? さらに人にはなかなか理解されない自分だけの願い・・・
高校生が、大学生活に思いを馳せながら読むのに良さそうです。東京大学の本郷キャンパスと、その周囲の上野などの情景も詳しく描写されています。
農学部が舞台というと、漫画の「もやしもん」が有名ですが、「もやしもん」と違って農学部らしいシーンは、ほとんで出てきません。著者は東大薬学部の出身とのことで、化学系の研究室に共通する特徴が描かれているようです。
普通の分類ならミステリーではなくてラブコメディ。
(日常系ファンタジーミステリーというジャンルを強引に作るなら別ですが)
しかし、無駄のない登場人物、きちんと回収される伏線、叙述トリックのような「ダイアローグ」と推理小説のような構成も。文庫本の解説を読んでいて、1か所最後まで勘違いしていたことに驚きました。(文系の人なら、かなりの割合で騙されそう)
文系人間でも分かる著者の教養
主人公がデートのために後輩の女子学生と一緒に服を買いに行ったチェーン店。
フフクロ For the freedom of clothing
(元ネタは、ユニクロの「Unique Clothing Warehouse」)
有名大学に通う理系学生は英語も得意。(特に実用的な内容に関しては)
最後に、とびきり易しい参考図書を
sukinakoto-happy.hatenablog.jp