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昨日の東大王に出ていた山口真由。元財務省で現在は弁護士という立派な経歴の持ち主ですが、テレビでも、東大主席と強調されていました。
そんな彼女は自他共に認める文系人間。東大入試(文系)、東大法学部で全ての単位が優、3年生で司法試験合格、国家公務員試験合格(財務省に採用)と、文系の難関試験では、驚異的な強さを発揮します。
強さの秘訣は、本のタイトルにもなっている「7回読み」。試験範囲を網羅した詳しい教科書(参考書)を7回読むことで完全に身に付けてしまう学習法です。社会科(日本史、世界史など)を初め、国語や英語など文系科目を学ぶには、有力な方法だと思います。一方、数学や物理などの理系科目は、いわゆる「暗記数学」的な方法と上手く組み合わせないと、どこかで壁にぶつかりそうです。
東大合格後は、大学の講義に休まずに出席して、非常に詳しくノートを取る日々。試験の前には、そのノートを7回読む。あまりにも情報量が多くノートが追いつかない講義では、ノートパソコンを持ち込んで講義内容を全て打ち込んだり、講義(教授の話)を録音したりしたとのこと。大学の文系学部で、そこまでする人は、ごく少数でしょう。しかし、そのおかげで、沢山いる東大卒業生の一人ではなくて、首席という特別な東大卒業生になれたわけです。
また財務省と、司法試験合格者が通う司法研修所。文系エリートが目指す二つの世界での体験も、簡潔に紹介されています。財務省に関しては、もう少し何とかならないんだろうか、(文系のエリート人材を効果的に活用できないんだろうか)という内容になっています。一方、司法研修所に関しては、実践的な研修を行う所として紹介されています。
著者の負けん気の強さは、多くの東大本(合格体験記)と共通しています。しかしクイズ番組に関しては、本業ではないのでオファーがあれば引き受けるというスタンスのようです。
私自身は大学を受験する予定はないのですが、「1日で分る文系エリートの世界」的な部分で興味深く読めました。
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