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東日本大震災の前年に出版された旧版の増補版。東日本大震災の巨大津波に関する第6章と南海トラフ巨大地震に関する第7章が追加されています。(追加されたのは40ページほど。それ以外の章は一部の内容が訂正されている以外は、旧版を踏襲しています)
津波の怖さ、歴史または地質に記録されている過去の津波、複雑な津波のメカニズム、津波情報、避難、災害復興、今後のリスクと防災、減災対策。
「自分が地震に遭遇したら」という視点だけではなくて、今後、地震の被害を減らすには何が必要かと言う広い視点で書かれているのが特徴。しかし、良かれと思って選択したことが上手く行かないことも多く、正解のない問題も多くあります。
特に人間の行動が関わる分野では、最善の対策を事前に立てるのは難しいようです。
(高齢者の避難、車での避難、津波警報、復興まちづくりなど)
津波に関する様々な課題が列挙されていて、ある意味教科書のような内容です。
一部に理系の難しい話もあり、人間の心理や福祉、教育の問題も含まれています。
専門書ではありませんが、日本に生きる人の教養として幅広い視野で、じっくりと学んでみたい人向きかもしれません。