好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

さすらいの仏教語 玄侑宗久(中公新書)


 

さすらいの仏教語 暮らしに息づく88話/玄侑宗久【1000円以上送料無料】

 

仏教由来の言葉をテーマとした仏教エッセイ。


中央公論などに連載されたもので、1テーマが見開き2ページ。88話。

 

典型的には、インドのサンスクリット語などに由来し、中国で漢字に翻訳され(元の音を生かして漢字を当てた単語もある)、日本に伝わり、さらに仏教とは直接関係のない場面で使われることによって意味が変わっていく。こうして、さすらいの旅を続けてきた(続けている)仏教由来の言葉。特定の意味を切り取って、これが正しい意味と言うのではなくて、言葉がさすらってきた旅を追体験する日本語エッセイにもなっています。

 

著者は作家兼僧侶、品格を感じさせる内容です(ユーモラスな内容もありますが)

最後の章は、東日本大震災後に書かれたものなので、宗教としての仏教を意識した言葉が多くなっています。

 

目次を見ると、砂糖とか大丈夫、徹底、実際などなど日常普通に使っている単語も多くあります。しかし言葉の持つ長い歴史を見開き2ページで一気にたどるので、日本語コラムとしては上級者向きかもしれません。

 

中公新書の表紙同様、最近の新書には珍しく教養を感じさせる1冊。

 

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