好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

金田一秀穂の心地よい日本語


 

金田一秀穂の心地よい日本語 [ 金田一秀穂 ]

 

金田一京助、春彦に続く3代目、現在はNHK高校講座ベーシック国語の講師もしている金田一秀穂による日本語コラム。(2004年から2011年まで、雑誌「毎日が発見」に連載。)

 

前回ブログに書いた「さすらいの仏教語」が教養ある人向けの日本語コラムなのに対して、こちらの「心地よい日本語」は普通の人が気楽に読める日本語コラム。

 

3代目の金田一先生は良い意味で「ゆとり教育」を体現してるような先生。何を研究しているのかは分らないけど(何となく研究なんかしてないようにも見えるけど)研究室はいつも学生達でにぎわっている(というイメージ)

 

基本的に、気楽に読める日本語コラムですが、時々本気になるのが金田一先生。「やばいっす」の「っす」は新しい謙譲語と喝破したり、二十歳以上の女性に使われる「女子」について考察したり。一時期流行った人名+△(本田△で、ほんださんかっけー)から日本語の特質を考えたり。袂を分かつ(たもとをわかつ)の古い出典を調べたり。

 

しかし、テレビで嗅覚(きゅうかく)と臭覚(しゅうかく)を間違えてしまい言い訳を書いたり。日常の出来事に愚痴ってみたり。偉い先生とは正反対のエピソードが多数。

 

大学での講義やゼミに関するエピソードも、いくつか出てきます。講義の中で学生と「多目的トイレ」の新しい呼び方を考えていますが、こういうのは良い意味での「ゆとり教育」ではないかと思います。

 

個人的に一番感心したのは「読書」という項目。金田一少年(少年時代の金田一先生)は時刻表とか植物図鑑、百科事典などの調べるための本ばかり読んでいて小説などは読んでいなかったので、読書感想文が書けなかったとのこと。

 

金田一秀穂の心地よい日本語 [ 金田一秀穂 ]