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鉄則モダン・カンポウ  新見正則


 

鉄則モダン・カンポウ (本当に今日からわかる漢方薬シリーズ) [ 新見正則 ]

 

私は長年漢方薬を服用していたこともあり、漢方には興味があります。しかし漢方に関する本の多くは、内容が難しかったり病名と漢方薬の羅列のような本が多く全部読み終わった本は、ほとんどありません。しかし、漢方の本の中では例外中の例外で、面白く最後まで読み終わったのが、この「鉄則モダン・カンポウ」です。

 

著者の新見正則医師は2013年にイグノーベル賞受賞。テレビ出演多数、慶応大学医学部卒業で現在は帝京大学病院の准教授。経歴だけでも個性の強そうな先生ですが、この本も類書のあまりない個性の強い内容です。

 

この本は、一応、現役の医師向けに書かれたものです。そのため一般向けの本と比べて、かなり割高。(183ページで3,240円、しかも文字が、かなり大きめです。)
普通の公立図書館や小さな書店では、まず置いてありません。しかし内容的には一般の人向けの本以上に、分りやすくなっています。漢方の理論は現代西洋医学の視点から見れば科学的ではないので、あまり拘る必要はない。西洋医学で治療しているのに慢性化してしまった患者の役に立つのであれば漢方を使えば良いという立場で書かれています。その一方で病名と漢方薬を一対一で対応させるような方法では限界があるので、漢方の理論を大幅に簡略化した「モダンカンポウ」を提唱しています。ベーシックイングリッシュみたいな発想でのベーシックカンポウと言えるかもしれません。

 

ツムラのエキス剤(普通にドラッグストアで売られている漢方薬)は、医療用と市販品で生薬の量が違うだけなので、自分で調節しても基本的には変わらない。医師が煎じ薬を扱っても、自分で生薬の目利きが出来ないと、煎じ薬のメリットを活かせない。だから基本的にエキス剤で充分、と言った患者向けの本には、あまり書かないことも、ちょこちょこ出ています。

 

医師の多くも漢方のことは分らないというスタンスで書かれているので、自分自身は非常に面白く読みました。しかし困った先生と思う人もいるかもしれません。

 

個人的には今まで飲んだことのある漢方薬が色々出てきて、これ飲んだことあるなと思い出しながら読みました。

 

好き嫌いが別れそうな内容ですが、個人的には一番好きな漢方の本。

 

鉄則モダン・カンポウ (本当に今日からわかる漢方薬シリーズ) [ 新見正則 ]