知られざる金属の不思議 (齋藤勝裕 )
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高校で化学を選択しなかった人にも理解できる「金属の科学入門」。金属の化学を中心に物理、生物、地学も少しづつ出てきます。第1章では原子の構造や酸化・還元といった基本事項を説明。第2章以降では、鉄や金といった、お馴染みの金属だけでなく、金属のイメージが薄いナトリウムやカルシウム、レアメタルや、ニホニウムなどの人工元素まで。人類の歴史と金属や、金属の工業的な利用についても言及しています。
著者の齋藤勝裕氏は、図書館の理工学書籍の本棚ではお馴染みの先生。著書は150冊を突破したとのこと。この本も非常に読みやすい内容になっています。(酸化と還元とか、鉄の精錬など普通の本だと難しい内容も、言葉による説明で、すんなり理解できました。)試験対策には物足りないかもしれませんが、科学、特に化学が身近になって苦手意識が薄まりそうな1冊。
(2109年8月出版の新刊です)
以下、内容に関するメモ
酸化と還元は電子の授受
色々な金属と酸素がくっついたり、離れたりする反応(酸化と還元)が重要。
人間の赤血球は鉄、
ビタミンB12はコバルトを含む。
ナトリウムを含む食品には食塩の他に重曹(ベーキングパウダー)もある。
マグネシウム、リチウム、ナトリウム、カリウムは水と反応して爆発。マグネシウム火災は消火が困難。
常温で液体の金属は水銀だけだが、他にも体温で溶ける金属はある。
奈良の大仏は水銀を使った危険な方法による金メッキ。