好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

数学の教科書が言ったこと、言わなかったこと[ 南みや子 ]


 

 

小学校の算数から高校の微積分まで、教科書がかかえる「大人の事情」について解説した本。


数学の教科書や授業が分りにくいのは何故か?それは数学の本質に関わる場合と、教科書が不親切な場合がある。そのことをプラスマイナスの計算、文字式、方程式、微分積分などの実例を通して見ていきます。

 

そのことを通して、学校で学んだ算数、数学の大きなテーマが「数の拡張」にあることを示しています。整数、有理数無理数複素数と拡張されていく数の概念。
その中で一番難しいのは、複素数ではなくて、無理数までを全て含む実数の概念。
ひとつ、ふたつ、みっつと数えていく素朴な数の概念から数直線を自由に動き回る数へ、数の概念をアップグレードしていくこと。それが学校で習った算数、数学の大きなテーマとのこと。これを比ゆ的に説明して納得させることはできても、数学的にちゃんと理解する、理解させるのは難しいという話も。

 

特に本書の後半で扱う微分積分の初歩(はじめの一歩のような内容)では、単なる計算よりも、本当は、もっと根本的な部分、本質的な部分が難しいということを説明しているようです。(私の場合、難しい部分が全部すっきり理解できたわけではありませんが・・・)

 

数学の本であっても、なるべく日本語で説明しているのが、この本の特徴。著者は長年定時制高校で教えきたとのこと。受験に数学を必要としないクラスの「のんびりとした雰囲気」を、かもし出しています。

 

数学に興味ある文系の人、数学の先生で「文系の理屈っぽい生徒も相手にしなければいけない人」。そうした人向きかもしれません。

 

 

 

数学の教科書が言ったこと、言わなかったこと【電子書籍】[ 南みや子 ]

ネプリーグ漢字問題11月19日

ネプリーグ漢字問題11月19日 2018年


今回は元TBS VSフジテレビのアナウンサー対決。
出題は、多くのアナウンサーが利用している「NHK日本語発音アクセント辞典から」

 

今回は1対1の対決方式

 

読み問題

1直撃 ちょくげき
2押印願います おういん
3改竄 かいざん
4時化 しけ(海があれること)
5古文書 こもんじょ 
6凡例 はんれい
7不知火 しらぬい

 

書き問題
8時期ショウソウ 尚早
9ネンポウ制 年俸(にんべん)
10書類をケッサイする 決裁 ×決済
11クジュウの決断 苦渋 ×苦汁
12ダンガイ裁判 弾劾
13単身フニン 赴任
14ハバツ争い 派閥
15ハツシモがおりる 初霜
16シニセ 老舗
17タタミ 畳
18ジバイセキ保険 自賠責
19モモヒキ 股引
20日本スモウ協会 相撲
21ショウガ 生姜

 

ここまで。
林先生のみ勝ち残りフジテレビチームの勝利

マンガでおぼえるコミュニケーション 齋藤孝


 

 

 

シチュエーション別に正しいコミュニケーションパターンを示した本。(小学生向け)

礼儀をわきまえた挨拶とか本音と建前を使い分けるといった内容をマンガとセットで伝えています。マンガで覚える処世術。

 

著者はテレビ番組でもお馴染みの 齋藤孝

ちなみにヨシタケシンスケのイラストは表紙のみ。中身のイラストは別の人です。


道徳の教科書のような内容で大人から見た「いい子」、「期待される人間像」を伝える本。


個人的に、この本に違和感を持ったのは、タイトルにあるコミュニケーションと言う単語。出版社の付けた宣伝コピー「これぞ齋藤処世術の真骨頂!」のように処世術というタイトルや道徳マンガというタイトルだったら自然と受け入れられそうな気がします。私がコミュニケーションと言う単語に妙に科学的なニュアンスを感じて、勝手に疑似科学的な本だと感じていたのかもしれません。


親の教育観、子どもの性格によって、好き嫌い、合う合わないが分かれそうな内容。

漢和辞典、使った記憶ありますか?

今週のお題「読書の秋」

 

このブログでは久しぶりの「今週のお題
本を読む時に広辞苑などの国語辞典を使う人は時々いても、漢和辞典(漢字字典)を使う人は、かなり少ないと思います。しかし、読む辞典としては漢和辞典は面白い。それが今回のテーマです。

 

私自身、最近まで漢和辞典を使うことは滅多にありませんでした。高校の漢文の授業で買わされた漢語林(旧版の漢語林)は、ほこりをかぶったままでした。


今年の4月、たまたま見ていたクイズ番組TBSの東大王で漢字オセロをやっていました。そこで出題された漢字の1つが「腥い」の読みを答える問題。

 

 


月と星でなまぐさい。月は肉月(にくづき)だろうとは想像できたのですが、星の方はわかりません。そこで、ほこりをかぶった漢語林を引いてみました。

 


漢語林には「肉の中に星のようにまじる白い脂肪のある、しもふり肉」と出ていました。この説明を見て、漢和辞典って面白いと思いました。
言葉には歴史があって、長い時間をかけて意味も発音も文字表記も変化していく。また同じ場所にとどまってるだけではなくて、遠い国に伝わったりもする。
国語辞典では背景に隠れている言葉の歴史性みたいなものが漢和辞典では前面に出てくるのが面白さの1つ。

 

もう一つの醍醐味は、漢和辞典類語辞典的な側面が強いという点。漢字が部首別に配列されているので、基本的に似た意味の漢字が集まっています。(もちろん例外はあって、形が似ているだけで意味は関係ない漢字もありますが)そして、1つの漢字に複数の読み方や意味が存在する。また同じ漢字を使う熟語も多くは類義語といえるでしょう。そう考えると漢和辞典入れ子構造の類語辞典というユニークな存在と言えそうです。

 

漢和辞典は、高校の漢文の授業のように少ない知識を正確に覚えるような時に使うのでは、あまり楽しくないかもしれません。もっと、ゆっくりと何かを吸収していくときに、別に立ち止まらなくても目的地には到着できる「寄り道」みたいな存在かもしれません。灘中学には銀の匙という小説を3年かけてじっくり読むという授業があったそうですが、どうせゆっくり読むなら、国語辞典よりも漢和辞典を使いながら読んだほうが面白そうなどと今は思います。

 

読書の秋、その「お供」に漢和辞典はいかが?
(高校生用の少し高い電子辞書だと新漢語林などが入っていたりします)

 

 

超問クイズ 難しい日本語30 11月16日(問題と回答)

11月16日放送 日本テレビ 超問クイズ!真実か?ウソか?難しい日本語30 
挑戦者 ロザン宇治原

 

Qさまなどでお馴染み、ロザン宇治原が日本語クイズに挑戦しました。

1牛蒡 ごぼう、菠薐草 ほうれんそう、竜髭菜あすぱらがす

2蒟蒻 こんにゃく、 木耳 きくらげ、 鹿尾菜 ひじき

3栗鼠 リス、馴鹿 トナカイ、 樹懶 なまけもの

4柳葉魚 ししゃも、翻車魚 マンボウ、海鷂魚 エイ 
鷂は「はいたか」鷹の仲間

5御虎子おまる 湯湯婆 ゆたんぽ 俎 まないた

 

6~8は回答のみ放送
亜爾然丁 アルゼンチン
7馬徳里 マドリード
8杜鵑 ホトトギス(不如帰など色々ある表記の1つ)

 

9 踝くるぶし、踵 かかと(きびす)、 拇 おやゆび 

 

答のみ
10蟀谷 こめかみ

 

珍しい名字

11鴨脚 いちょう 鴨の脚が銀杏(いちょう)の葉に、形が似ているため
12栗花落 つゆり
13十二月田 しわすだ
14盆子原 いちごはら
15五六 ふのぼり(将棋から)

 

ものの数え方
17 鏡餅 1据わり、1重ね
20 烏帽子 1頭

答えのみ放送
16 口 18 門 19 腹


反対語を答える問題
21大船に乗る 卵の殻で海を渡る
22いけ好かない 好いたらしい(すいたらしい)
25適材適所 驥服塩車(きふくえんしゃ)

答えのみ放送
23 陸に上がった河童
24昔のことを言うと鬼が笑う

 

26カメレオン 避役
27 わからずや  没分暁漢、不分屋(全部漢字で書く場合)
28にきび 面皰 靤皰
ここで間違えてチャレンジ終了
「巳」と「己」の違い。どちらでも正解になる文字もあるが、この文字は「巳」のみ正解。

おいしくたべる  松本仲子


 


食に関する理解を深めるための読み物(小学生向けの内容)。


人間は何を食べているのかを知ることが第一のテーマ。

米や小麦は植物の種。にわとりの卵。牛の乳。色々な動物の肉。野菜やくだもの。
食べ物を保存するために、干したり、漬物にしたり、発酵させたり。缶詰やレトルト食品と言った新しい加工法も。

こういった当たり前すぎて、1つ1つ立ち止まって考える機会の少ないことを、イラストを使って紹介していきます。オムレツやキャベツ炒めなど、簡単に試せる料理のレシピも一緒に紹介。

 

後半では、文字通り「美味しく食べる」ための基礎知識を学びます。
甘さ、塩味、すっぱい味、うま味など。香りや色彩、盛り付け、温度の役割。
さらに、腹ペコの時、皆と一緒に楽しく食べる時に、特に美味しく食べられるといった心の問題まで。

 

食物アレルギーや宗教上のタブーについても言及しているのは現代的。
その一方で、栄養や健康に過度にこだわるよりも、「偏食せずに、色々なたべものをおいしく食べる」ことが大切という立場。

 

食に関する基本、おいしい食事について理解することが、健康な食生活の第一歩。

 

 

 

おいしくたべる (こどものための実用シリーズ) [ 松本仲子 ]

感染症とたたかった科学者たち (小学生向け科学読み物)


 

 


感染症とたたかい、免疫学や細菌学の基礎を作った科学者達の研究をたどります。
小学校高学年向け。
著者は「感染症キャラクター図鑑」や「免疫キャラクター図鑑」と言った児童向けの本も執筆している女性免疫学者の岡田晴恵。

 

立派な人になろうというタイプの偉人伝ではなくて、科学の研究、医学実験そのものを追体験できるような構成になっています。特に重要な発見では、文字とともにマンガでも解説しています。
「ひらめきの瞬間(セレンディピティ)」を重視した医学読み物、科学の歴史。


最初に登場するのはジェンナー。科学的には必ずしも明白でないことでも、不屈の精神で前へ進む信念の人として描かれています。

 

パスツールは、ひらめきにより状況証拠を積み重ねていく科学者として描かれています。現在の免疫学というよりは、疫学、衛生学的に近い発想。

生物の自然発生を否定したパスツールの実験では、普通のフラスコを使ったテオドール・シュワンの実験と比較しています。ハクチョウの首のような形をしたフラスコを使うことで、自然発生説が、より確実になものになったことを学びます。

 

もう一人の巨人、細菌学のコッホは、いかにも科学者と言うタイプ。ドイツ人らしく厳密性、科学性を重視する人として描かれています。微生物を培養する培地の開発や、微生物を染色する方法の研究など。学問としての基礎をきっちり築いていく様子を学びます。

 

日本人からは、秦佐八郎と北里柴三郎を紹介。
海外で最先端の研究を学び、真面目さと粘り強さで成果をあげた人として描かれています。ひらめきだけでなく真面目さも大事。

 

他に抗生物質ペニシリンを発見したアレクサンダー・フレミングの研究などを紹介しています。

 

顕微鏡と実験動物のマウス(ねずみ)が色々な研究で登場します。

 

A4ハードカバーの大型本。値段も3000円以上するので図書館の活用も選択肢になりそうです。

 

感染症とたたかった科学者たち 情熱とひらめきが命を救った! [ 岡田晴恵 ]