好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

キングジムの開発会議に感心(がっちりマンデー)

少し前ですが、6月12日TBS日曜朝の経済番組、がっちりマンデーキングジムを特集していました。

 

キングファイルなど定番商品もあるものの、主にスキマ狙い(ニッチ市場)の文具メーカーです。

 

スタジオには宮本彰社長が出演。

 

前半は定番商品「キングファイル」やラベルプリンター「テプラ」の紹介でしたが、自分が特に興味を持ったのは番組後半に紹介していた新商品の開発会議の様子です。

 

キングジムでは商品開発の会議は3段階に分かれているとのこと。
(正確な内容は、がっちりマンデー キングジムで検索すれば出てくると思います)

 

第一段階では、アイデアを評価するのではなく、他の人のアイデアを聞いた人も、どんどんアイデアを出していくのがポイント。

 

第二段階では、アイデアそのものではなく自社が強いマーケットの商品なのかに焦点を当てて審査。(キングジムにとってハードルの高すぎる商品やニッチ過ぎる商品は難しい)

 

第三段階では、そこまで残ったアイデアの9割を会社幹部の総意として承認。
ただし、その中の9割は失敗することを覚悟している。
どのアイデアが、成功する1割になるかは、社長でも分からない。

 

 

宮本彰社長のコメント
「みんなで話し合って、いろんな意見を聞くのが基本なんですけど、意見を聞きすぎても、よくない場合もある。いろんな部署の意見を聞くと、だんだんだんだん、あれもこれも取り入れようと本来つくりたい商品と違うものになってたりする。(中略)最初に、こういうものを作りたいって言う思い込みを非常に大切にしたい」


この話は、商品開発だけでなく、自分らしく生きたいと思う人にも参考になると思います。(人の意見を聞きすぎると自分を見失ってしまうなど)

 

普段の人間関係では、何でも話を聞いてくれそうでいて、結局は自分の考えを相手に押し付けてしまう人もいます。
こういう人と一緒にいると、だんだんモヤモヤが溜まってきます。

 

一方、ある程度枠組みはありつつも、その枠内では相手に自由に喋らせてくれる人もいます。人のことをあまり批判せず、悪口なども言わないので、失敗談でも安心して話せる相手です。その上で、こちらの話にも関心を持ってくれる人なら理想的です。

こういう人との人間関係が持てると、自然と、気持ちよく自分らしく生きられるようになると思います。

 

 

学生時代、ある人に「自然な自分になれる友人関係が大切」と言われたのですが、当時は、その意味が、理解できませんでした。

しかし今回がっちりマンデーで紹介されていたキングジムの開発会議には、「自然な自分になれる人間関係」に関するヒントも含まれていたような気がします。

 

皮膚に聴く からだとこころ 川島眞 PHP新書

皮膚に聴くからだとこころ

皮膚に聴くからだとこころ
著者:川島真
価格:820円(税込、送料込)
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皮膚(皮膚科、皮膚科学)に関する本は、科学的ではあるものの内容が細かすぎて難しすぎたり、逆に、内容は分かりやすいものの科学的な根拠が曖昧だったりします。しかし、この本は、体と皮膚、心と皮膚の関係を出発点にして、分子レベルのミクロの話から、生活習慣やストレスの話まで、上手く両立させています。


さらに最新の研究から著者の臨床経験や個人的な経験まで幅広い内容が盛り込まれています。

 

皮膚は内臓の鏡と言いますが、それにとどまらず、広い視野とミクロの眼を両立させた珍しいタイプの入門書(皮膚科学入門)

 

皮膚に症状が出る内臓疾患や皮膚感染症、美容皮膚科の話も出ていますが、
最も印象的だったのは、アトピー性皮膚炎に関する第3章。

 

ステロイドバッシングが起こったり食物アレルギーが強調されたのは、アトピー性皮膚炎の病理が良く分からない状況で、ステロイドや食物アレルギーがスケープゴートにされたようなものと考え、その後の研究の進歩について紹介しています。(遺伝要因やバリア機能の障害など)

 

また基礎研究とは別に、臨床現場での経験から心理的な要因がアトピー性皮膚炎に影響していると考えられるようになったことを示しています。

 

金沢大学の竹原和彦教授とともにアトピービジネスを批判する活動を続けてきたとも書かれていますが、竹原教授の本と比べると、穏健派、ハト派という印象を受け、普通の人にとっては受け入れやすい内容だと思います。

 

著者は、これまでの人生を振り返って、がむしゃらに頑張って39歳で教授になったこと、しかし頑張りすぎて体調不良に悩むようになってからは、80点主義で皮膚を初めとする、からだの声に耳を傾けられるようになったこと。

さらに患者の声に耳を傾けることで、より満足できる治療が出来るようになったことを紹介しています。

 

これらのエピソードがアトピー性皮膚炎の心理的要因と合わせて紹介されていて印象的でした。

 

この本を読んだのは2回目ですが(前の記事参照 アトピーと患者の知を読んだついでに、もう一度読んでみました)、新書版で160ページ程度の薄い本なのに、今回も興味深く読めました。見かけよりも内容の詰まっている1冊だと思います。

 

ステロイドと「患者の知」 牛山美穂(早稲田大学 文学博士)

ステロイドと「患者の知」

ステロイドと「患者の知」
著者:牛山美穂
価格:2,268円(税込、送料込)
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(目次や著者情報あり)  

 

アトピー性皮膚炎患者のステロイドに対する恐怖及び皮膚科医への不信感、 民間療法や脱ステロイド医を選択する理由に関する調査研究です。

 

自身もアトピー患者である著者が、日本及びイギリスで患者に対する長時間のインタビューを行っている点が、この研究の大きな特徴。

(著者の牛山美穂は、この研究で早稲田大学の文学博士に。医療人類学という位置づけだが、患者心理に関する読み物として予備知識無しでも読みやすい)

 

薬に対する恐怖感や嫌悪感、医師に対する不信感は、関係者にとっては不都合な現実であり、研究するのが難しいテーマでしょう。

ゲーム理論ノーベル経済学賞を受賞したジョンナッシュは長年統合失調症を患っていたことが知られていますが、彼をモデルにした映画ビューティフルマインドでは、薬物治療の効果で病気が回復したように描かれています。しかし本人へのインタビューでは、ナッシュは薬を飲まずに自然治癒したと語っていました。

 

病気をテーマにしたドキュメンタリー作品でも、ステロイドバッシングのように分かりやすい敵を想定できる場合を除くと医師に気を使った内容になりがちで、 服薬拒否のような問題は、単にダメな患者として描かれてしまうことが多い気がします。

 

患者の視点から医療不信を理解して改善策を探る(その中には代替医療の尊重と言った多数派の医師には受け入れがたい内容も含む)という厄介なテーマに、 本人も当事者(患者)であることを逆に強みにして、果敢に取り組んでいます。

 

イギリスでの患者インタビューからは、アトピー商法が目立たないイギリスでも日本の患者と同様にステロイドに対する嫌悪感は存在していることを示しています。

 

 

実際に読んで見ると、著者の行動力、フットワークの軽さ、社交的で気さくな性格が伝わってくる良質なルポルタージュと言った雰囲気で、ジャーナリスティックな部分が魅力的でもあり、研究論文として見た時には弱さにもなっているかもしれません。

 

アトピー関連で最近メディアの話題になることの多い、遺伝子とか活性酸素、皮膚表面の細菌と言った話は、ほとんど出てきません)

 

私自身もアトピー性皮膚炎とは別の慢性的な皮膚病に悩まされているのですが、 病気に対する考え方、関わり方は一様ではないと言うことが、よく分かりました。

 

その一方で、気になる部分も結構ある本だったので、書いてみたいと思います。

 

気になった点

その1

かゆみに対して、あまり言及されていない。

 

アトピー性皮膚炎は、強い「かゆみ」を伴う皮膚病です。

一般的に、かゆみは、かく時(自分の爪で引っ掻く時)は 気持ち良いのですが、

その後皮膚病は悪化します。

医者側の視点からは、かゆみを薬で抑える必要があるとか、 かゆみ止めが効かないなら心身医学的(心療内科的)な治療が必要と なるのでしょうが、アトピーの患者自身は、かゆみを、どのように考えているのかと言う点も気になります。

(自分自身、かゆみの強い皮膚病なので)

 

その2

漢方に関して

 

この本では漢方が民間療法の一つのように扱われていますが 日本の現状では漢方と他の民間療法には異なる点が多いと思います。

 

(以下箇条書きにしてみます)

日本では漢方は医師、薬剤師が中心になって行っていて、アトピー治療に関するガイドラインでも民間療法とは別扱いになっています。

 

また現在では漢方医の多くは脱ステロイドには熱心ではなく、ステロイド漢方薬を併用するケースが多いようです。

 

漢方薬は種類が多いので、アトピーが悪化した場合でもステロイドが悪いと考えるよりも別の漢方薬を試そうという発想になることが多いと思います。

 

(漢方治療を受けたり、詳しい話を聞く機会がなければ気付きにくい事柄で、 著者を責めるのは酷な気もしますが)

 

その3 補完医療の存在(漢方、心療内科など)

 

この本では、患者の選択する治療法に関して、標準治療(一般的な皮膚科医による治療)、民間療法、脱ステロイド医に分けて考察しています。

 

しかし、その1、その2に書いたような事情から、皮膚科医公認の補完医療として漢方と心身医学(心療内科)が存在していると考えたほうが日本の現状に近いのではないかと思います。

 

ステロイドだけでは治りにくい患者も含めて「専門家の手のひらで転がす」ことに、ある程度成功しているような気もしますが、実際に調査してみると新しい発見があるのではないかと思います。

 

その4 医療の変革と個人の生き方

 

この本では、患者の知が医療を改善していく可能性にも言及しています。

それは、その通りで大切なことですが、患者の知が患者本人にとって納得した生き方をもたらすという点も、個人的には大切だと思います。

ジョンナッシュやアトピー患者の服薬拒否(専門用語でノンコンプライアンスと言うようですが)は、薬に関する一般論としては不都合な真実かもしれませんが、薬を拒否したり治療を変えたりして病気が良くなったり悪くなったりを経験しながら、その人らしい生き方にたどりついたと考えるなら、学ぶべき点の多い経験ではないかと思います。

著者は、生活知などは医療を変える力に乏しいと述べていますが、医療そのものは変えなくても、病との関わり方を変える可能性のある知識ではないかと思います。  

 

終わりに

 

色々と批判的なことを書いてしまいましたが、早稲田らしいというか早稲田大学のイメージ通り自分の個性を大事にして長所を伸ばしていく姿勢、自分の病気でさえ武器にする積極的な態度でアトピーに悩む人たちの心理にせまった、魅力的な1冊だと思います。

バーベキューも人それぞれ

先日ある団体が開催したバーベキューに行って来ました。

 

バーベキューと言っても出会いとか交流と前のめりになるのではなくて、マイペースな人の多い集まりでした。

 

一応集合場所はあるのですが、2時間ぐらいかけて自転車で来た人もいました。
食事が終わった頃に来た人もいます。

 

万全の紫外線対策をしてきた人も。

私の場合は紫外線と言うよりも、皮膚が熱を持つと、かゆくなってしまうので保冷剤とか、おーいお茶の冷凍ボトルを持っていきました。

 

今回のバーベキューでは、計画段階から参加したり当日も熱心に働いた人が2割ぐらい、普通に働いた人が6割ぐらい、あまり働かない人も2割ぐらいいたかもしれません。

 

しかし皆で協力して、皆が一生懸命という集団よりも、どこか平和な雰囲気でした。

 

出会いと交流を求めて、ガツガツするのではなく、ゆっくりと流れていく時間。
その中で、参加者それぞれが、自分にとって、しっくりくる「ふるまい方」に気付いていく感じ。

 

今回のバーベキューに参加して思ったのは、人には大切なこだわりと、適当に人に合わせておけば良いことがあるということ。
(前回の枝と幹の話と似ています)

 

皮膚や食べものに関するアレルギーに関わることは、基本的に人に合わせるわけには行きません。


一方、細かいメニューや調理法は、詳しい人に任せておいてもいいと思いました。

 

最近ではバーベキューのスペシャリストのような人もいるようですが、今回は、そこまで詳しい人はいなかったので、参加者から今後の要望を出してもいいと思いました。最後に焼きそばを食べたいとか、余った野菜を持ち帰るのにジップロックを用意してほしいと言った内容です。

 

皆で決めたんだから皆が従うべきという発想で動いている集団は少し息苦しい。

こだわる部分はこだわり、人に任せる部分は任せる

 

それで上手く回っている集団が、過ごしやすい集団ではないかと思ったバーベキューでした。

 

幹と枝

好きなこと知ってる人は幸せ」の続き

好きなことが大切と言っても好きなことだけでは生きていけないので、幹の部分と枝葉の部分に分けて考えることが必要だと思います。

 


人と上手くやっていける人
幹は、そのままで、枝葉の部分を人に合わせることが出来る人


人と上手く行かない人
幹を守ろうとして、枝葉の部分も人と合わせられない人

 

不幸な人
枝葉だけでなく幹まで人に合わせてしまう人


幹は、そのままで枝だけを人に合わせられる人は、人間に対する信頼感を持っている人。

本当の自信がある人。

厳しくても「その人らしさ(幹になる部分)」を大切にして育てられた人。


そうじゃない多くの人は、時間をかけて幹の部分と枝葉の部分を区別していく必要があるのかもしれません。

花田虎上の恋愛・人生相談(EXD44 テレビ朝日)

今年4月にテレビ朝日で始まった深夜番組EXD44。


テレ朝のスターディレクターを育成するという異色の内容ですが
今までは企画倒れのVTRが、ほとんどでした。


しかし今回(5月18日)の「花田虎上の恋愛・人生相談~縁、切っちゃえば!?~」は非常に面白い内容でした。

 

まず着眼点が気に入りました。

 

(番組HPから引用)
これまで、家族、配偶者、相撲など様々な相手と縁を切ってきた花田虎上氏。
彼だからこそ、(中略)悩ましい相談にも的確なアドバイスができるはず!
(引用終わり)

 

絆が強調される時代に、あえて逆を行くわけです。

 

花田虎上の柔らかい語り口も好印象。

 

かつての細木数子のように、ズバリ言ったほうがバラエティとしては視聴率をとりやすいのかもしれません。しかし花田虎上は、そうはせずに、柔らかな物腰で、恋愛に悩むカップルの優柔不断で矛盾した気持ちを引き出していきます。

 

別れる、別れないの選択は結果的には間違いかもしれないけれど、男女ともにお互いのことを知るのに役立ち、長い目で見れば二人とも幸せに近づくのに役立ちそうな恋愛相談。

 

「縁を切ってもよい」と思うことで本当の自分が見えてくる。


この企画「花田虎上の恋愛相談」だけは、ぜひシリーズ化、レギュラー化してほしいと思いました。

好きなことを知っている人は幸せ

私は長い間、就職もせず幸せな人と不幸せな人の違いについて考えて来ました。


その結果たどりついた答の一つが「好きなことを知っている人は幸せ」と言うことです。

 

好きなことを知っている人は、挫折や失敗を経験しても長い目で見れば立ち直れる。

迷いつつ、悩みつつも理想に近づいていくことが出来る。

 

一方好きなことが分からない人は、失敗から学び、よりよい選択をすることが難しく、同じような失敗を何度も繰り返してしまう。

一生懸命努力しているのに、なかなか上手くいかないという人は、「好きなこと」が分からなくなっている人が多いと思います。

 

このブログが、好きなことを知るのに少しでも役立つ内容になればいいなと思っています。