好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

生き心地の良い町 岡檀


 

生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由がある/岡檀【1000円以上送料無料】

 

3つ前の記事でブログに書いた「精神科医、「自殺希少地域」を行く 森川すいめい」の関連書籍。(元ネタになった研究)自殺希少地域研究の元祖です。

 

図書館の社会学の本棚に置かれていたため、この本の存在に気づかなかったのですが、検索してみると大きな反響を呼んだ1冊のようです。

 

要約的な内容は色々なサイトに出ているので、個人的に気になった点をメモしておこうと思います。

 

まずタイトルに「生き心地の良い町」と町がはいっていること。都市に住んでいると気づきにくいのですが、やはり極端に不便な過疎地域で暮らすのは大変と言う事を、統計データを使って第4章で示しています。

 

その上で、人間関係は毒にも薬にもなるもの。(運動とか栄養、免疫、微生物なんかも、人間の健康にとってプラスになることも、マイナスになることもありますが)

 

人を監視するのではなくて、関心を持って、ゆるやかにつながること。
女性には自然と出来る人も多いのでしょうが、男性には苦手な人が多そうです。

 

昨日の夕刊(1月19日 毎日新聞)に、「自殺者8年連続減」と言う記事が出ていました。死亡率の高い都道府県、低い都道府県も紹介されていました。しかし著者(岡檀)によると、都道府県別のデータでは、あまり研究の役立たないとのこと。ここら辺の事情に関しても詳しく説明されています。

 

この本では全く触れられていませんが、ネット上の人間関係を考える時にも参考になりそうです。

 

生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由がある/岡檀【1000円以上送料無料】

偉人と語るふしぎの化学史 松本泉 (ブルーバックス)


 

偉人と語るふしぎの化学史 化学法則が生み出されるプロセスを追体験する【電子書籍】[ 松本泉 ]

 

文系人間には難しい内容の多い講談社ブルーバックスシリーズ。
しかし時々、文系でも分りやすい非常に基礎的な内容の本も混ざっています。
この本はブルーバックスシリーズでは、もっとも易しいレベルの1冊。

 

タイトルは化学史ですが、内容的には中学で学んだ化学について、もう一度じっくり考えてみるもの。そのために、化学史上の重要人物、アリストテレスやラヴォアジエ、アヴォガドロを登場させ、ライバル達と架空の討論を行っています。

 

討論のテーマは3つ。


一つ目のテーマは、万物の源は何か?
(舞台は古代ギリシア、主役はアリストテレス
水?空気?火?
それとも、水、空気、火、土の4元素?

 

二つ目のテーマは、燃焼とはいかなる現象か?
(1791年、フランス パリ 主役はラヴォアジエ)
フロギストン説に問題はないのか?
(ものが燃えるのは空気中の酸素と結合する現象という結論に到達するまでを討論形式で再現)

 

三つ目のテーマは原子説の確立
1830年 イギリス マンチェスター 主役はアヴォガドロ)
気体に関する様々な実験が、原子説を採用すると上手く説明できることを追体験して行きます。

 

 

理科がそれほど得意でない中学生でも理解できそうな1冊。
また理科を教える先生にとっても参考になりそうです。

 

偉人と語るふしぎの化学史 化学法則が生み出されるプロセスを追体験する【電子書籍】[ 松本泉 ]

ビリギャル(原作本)を今さら読んでみた

 


 

学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話 [ 坪田信貴 ]

 

有村架純主演の映画にもなったビリギャル。その原作は、30文字以上ある長いタイトルで、石川恋の表紙がインパクト抜群。石川恋はドラマ警視庁いきもの係に出ていましたが、ビリギャルの写真とは別人のよう。

 

映画にもなっただけあって、読んでいて楽しい退屈しない本です。CMにもなった聖徳太子を「せいとくたこ」と読んだエピソード。受験当日の失敗談。要所要所で登場する「ああちゃん(母親)」

 

受験本としては、普通の授業でもなく、自学自習でもなく、塾の個別指導で合格した点が、大きな特徴。昔から、本当に勉強が苦手な人には家庭教師か個別指導塾が必要みたいなことを言いますが、学年ビリで偏差値30からの大学受験だと、やはり個別指導は必要なのかもしれません。本文中にも出てきますが個別指導は、お金がかかるのが難点ですが。

 

著者の坪田先生は、勉強を教える教師と言うよりも、心理学に詳しくスポーツのコーチみたいなタイプです。やる気を引き出したり、課題を与えたり、目標を設定するのが上手いタイプ。(うがった見方をすると、勉強法については、あまり手の内を明かしたくないようにも見えますが)

 

自習方法がメインではないので、高校生本人よりも、親や学校、塾の先生が読んだほうが参考になるかもしれません。特に、変な所で子どもを否定してしまうと思っている親や先生にはお勧めです。

 

個人的には、この子(さやかちゃん)は慶応向きかな、早稲田向きかなと考えながら読んでいました。早稲田の卒業生には、岡副麻希にゃんこスターアンゴラ村長(女性のほう)みたいに個性的な人も多いので早稲田向きかと思いながら読んでいました。しかしビリギャルの場合、グレてギャルになってしまい勉強しないで常識が身についていなかっただけで、大学でもギャルとして個性を伸ばしたいと思っていたわけではなさそうです。それなら慶応大学で正解かなと、読み終わって思いました。

学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話 [ 坪田信貴 ]

精神科医、「自殺希少地域」を行く 森川すいめい


 

その島のひとたちは、ひとの話をきかない 精神科医、「自殺希少地域」を行く/森川すいめい【1000円以上送料無料】

 

日本は自殺の多い国として知られていますが、日本にも自殺の少ない地域は存在します。そんな自殺希少地域を、精神科医が訪ね、特徴をリポートしたもの。

 

岡檀(おかまゆみ)が「生き心地の良い町(講談社)」で報告している自殺希少地域の研究に触発された著者が実際に現地を取材したものです。

 

本のタイトルは、「その島のひとたちは、ひとの話をきかない」で、書店や図書館の精神医学のコーナーに、このタイトルの本があると非常に目立ちます。しかしブログの見出しにすると内容が分りにくいと思ったので、サブタイトルを見出しにしました。

 

自殺希少地域の多くは、田舎とか離島とかです。そのため、都会に住んでいる人間は癒しの島みたいなイメージを勝手に抱いています。しかし実際に行って見ると、癒しの空間ではなくて自然環境が厳しい地域が多い。そうした環境の中で、地域の人たちが課題に向き合って、課題を解決してきた地域が自殺希少地域の特徴。


課題と向き合うことで、住民同士の対話が当たり前のように行われる。地域の課題と言うと、大きな公共事業のようなものを思い浮かべるかもしれませんが、この本で紹介されているのは、住民一人、一人の困りごとのような内容。そうした困りごとを他人事と考えずに、解決していけるのが自殺の少ない地域。

 

もう一つの特徴は、田舎とか離島で、皆がお互いのことを知っているだけでなく、お互いの違いを尊重する地域であること。多少変な人がいても受け入れてしまう地域です。タイトルにある「ひとの話をきかない」と言うのは、マイペースで安易に人と同調しない島の人たちの特徴を表しています。

 

最後の章では自殺希少地域の特徴とオープンダイローグとの類似性を指摘しています。(本書には出てきませんが、べてるの家に興味のある人にも参考になりそうです)

 

本文中で、はっとしたのが新宿は高齢者を排除した町だと言う指摘。40代になり、渋谷や新宿の町を歩くと疲れるようになってきたので、確かにそうだなと思います。

 

精神医学には、こんな切り口もあったんだと感心した1冊。

 

その島のひとたちは、ひとの話をきかない 精神科医、「自殺希少地域」を行く/森川すいめい【1000円以上送料無料】

「いただきます」は「いただく」の濫用(柳田國男)

私は放送大学の学生でも何でもないのですが、何となく録画していた放送大学の講義「日本語とコミュニケーション」を見ていたら、面白いエピソードが紹介されていました。

 


日本語とコミュニケーション('15) 第15回 

滝浦真人教授の説明(一部抜粋)

 

ごはんを食べる時に、「いただきます」と言いますよね。
あれは昔からあると思いますか。(中略)

 

ちゃぶ台が食事の場所として使われるようになったのは関東大震災以後。
それ以前は、箱膳(食べ終わった食器を、中に入れることが出来るお膳)で、
めいめい食べていた。

 

箱膳の時代は、「いただきます」をあまり言っていたなかった。
(使用人が「いただきます」を使っていたことはあっても、家族みんなが、一斉に食べてはいなかった。)

 

民俗学者柳田國男(1875-1962)は、いただきますは「いただく」の濫用だと批判的に言っている。

 

食うの謙譲が食べる、「いただく」は、さらに謙譲。

 

やなせたかし「だれでも詩人になれる本 あなたも詩人」


 

だれでも詩人になれる本 あなたも詩人 [ やなせたかし ]

 

アンパンマンで有名な、やなかせたかしが40年以上前に、詩について書いた本
(原本は1977年出版、「詩とメルヘンの世界 もしも良い詩がかきたいのなら」 今回読んだのは、平成21年に復刊されたもの)

 

この本は、これ以上説明してもしょうがない気がします。ただ、あまりに文章が短いと、グーグルに嫌われそうなので、以下に感想などを書いて見ます。

 

この本を読むのは2回目ですが、心地よい夢のような内容で、詳しい内容は忘れてしまい心地良さだけが残る本。何年か経って懐かしくなって読んで見ると、見事に内容を忘れていて、2回目も気持ちよく読めました。

 

一つ前の記事では「パンの世界」と言う本を紹介しましたが、「パンの世界」に出ていたイースト菌やパン酵母は、アンパンマンと同じ作者の「だれでも詩人になれる本」には登場しません。パン自体も出てこなかったような気がします。そもそも小さな子ども達が、食べ物について話すことも、あまり無いような気がします。(何かを食べたい時以外は)

 

イースト菌で発酵させてパンを作るみたいに考え始める頃には、もう子どものように素朴で純粋な詩は書けなくなっている人が多いというのが、やなせたかしの考え。(少し前に書いたようにイースト菌は出てきませんが)それどころか、「愛と勇気だけが友だちさ」と言う歌詞の意味が分るころには、もう本当に子どもらしい良さを持った詩は生まれてこなくなっているのかもしれません。

 

最近ベストセラーになるような絵本は、心理学や行動経済学マーケティング理論を応用して緻密に計算された上で作られているものが多いような気がします。
でも、そういう絵本とか児童書、マンガって何か大切なものを忘れていないだろうかと疑問を持っている人が、この本を読めば共感できる内容が多いのではないかと思います。

 

心地よい夢に終わったとしても、無駄にはならないような気がします。

だれでも詩人になれる本 あなたも詩人 [ やなせたかし ]

パンの世界 基本から最前線まで/志賀勝栄


 

パンの世界 基本から最前線まで/志賀勝栄【1000円以上送料無料】

 

私は一時期、図書館にある様々な分野の入門書を片っ端から読んでいた時期があります。そして思ったのは、馴染みのない分野の入門書でも、言葉でゆっくり説明している本なら結構理解できるということ。逆に、表を覚えこんだり、計算や記号が頻出するような入門書は、レベル的には易しくても、なかなか理解できませんでした。要するに暗記が苦手な文系人間なわけです。

 

 そんな私が、図書館で偶然見かけたのが、この本です。裏表紙の紹介文には「(パンに関する)まったく新しい本格的入門書」と書かれています。本文をぱらぱらと眺めてみると、縦書きで語りかけるような会話調で書かれており、小麦粉を考えるとか、発酵種とは何かと言った基本的な内容を説明している本でした。

 

実際に読んで見ると、学者のように博識で研究熱心なパン職人による特別講義と言った雰囲気です。普通の教科書のように客観的な事実だけを解説する本ではありません。かといって自分の経験のみに基づいて、自分のやり方だけを説明しているわけでもありません。両方がミックスされた内容です。

 

例えば第3章「小麦粉に考える」では、薄力粉と強力粉の違い、ライ麦と小麦の違いと言った基本をふまえつつ、著者自身(志賀勝栄)は、どんな産地のどんな小麦を主に使っているのかについても説明しています。国産小麦の性質とか、食パンに合った小麦粉とバゲット(フランスパン)に合った小麦の違いなど。

 

著者がこだわっているのは発酵食品としてのパン。そのため第4章の「発酵種とは何か」では、一般的なイーストの他にも色々な発酵種(天然酵母)が紹介されています。酵母の他に乳酸菌の話も。言葉としてはアルコール発酵とか乳酸発酵と言う専門用語も出てくるのですが、化学や生物の教科書と違って元素記号は出てこないので、特に抵抗なく読めました。また発酵に関しては、著者が研究を続けている長時間発酵でのパン作りも解説されています。

 

その他にも、第1章と第2章では、パンの歴史や日本、フランス、ドイツなどのパン事情が紹介されています。現在のパンの定義では、パンは発酵食品ですが、パン発祥の地である中東では、無発酵のパンが作られ続けているとのこと。

 

第5章では水と塩の役割、具体的なパン作りについては第6章で説明されています。

 

理論的な説明と著者個人の体験談が絶妙にミックスされていて、最後まで退屈せずに読めました。

 

多少高くても美味しくて健康に良いパンを食べたくなる本。

 

パンの世界 基本から最前線まで/志賀勝栄【1000円以上送料無料】