好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

野蛮なアリスさん  ファン・ジョンウン  斎藤真理子訳


 

 

再開発に翻弄され、心まで荒廃してしまう貧民街の人々。幼少期の貧民街での経験を、成人した女装ホームレスが回想する物語。「野蛮なアリスさん」というタイトルは、不思議の国のアリスから取ったものですが、この小説が残酷な童話のような物語であることを示しています。インパクトの強い表紙は、女装ホームレスを象徴しているようです。

 

訳者あとがきのよると、韓国、金浦空港周辺の再開発をめぐる紛争がモチーフになっているとのこと。日本人からすると、東南アジアや南米、アフリカのスラム街のイメージに近い貧民街。住民たちが自分達の「絶対的な貧しさ」よりも「社会の格差」を意識した時に、人々の心が荒んでいく(すさんでいく)様子が描かれています。バブル景気の全盛期に、日本でも盛んに地上げが行われていましたが、当時の状況と少し似ているのかもしれません。

 

小説なので少しストーリも書いてみます。
主人公のアリシアは貧民街で育った女装ホームレス。彼が少年時代を回想する物語。子どもを虐待する母親、再開発の際に、家と土地を高値で売却したい父親。軽い知的障害のありそうな弟。父親と前妻の間に生まれた異母兄弟。自分も儲けたいと画策する人々。網の目のように絡まった暴力と憎悪の連鎖の日々を回想しています。

 

原文ではキーワードのように繰り返し登場する「ある罵倒語」。それを日本語に、どう訳すのか悩んだというエピソードが、訳者あとがきに紹介されています。日本語訳には、ある放送禁止用語が使われています。こういう翻訳の仕方が正解なのかも個人的には気になるところです。

 

野蛮なアリスさん [ ファン・ジョンウン ]

かばんの中には図書館の本

今週のお題「カバンの中身」

 

今週のお題を見て、わざわざかばんに入れてるものとかないなと思ったのですが、
図書館の本を入れてることが多いと、少したって気づきました。

 

学生時代、比較的長時間の電車通学だったので、その頃からの習慣かもしれません。

 

自分では意識してなかったのですが、「本が好きですね」とか「図書館が好きですね」といわれると、確かに、その通りだなと思います。

 

好きなことを、そのままブログに書くようになって、ブログのネタに困らなくなりました。

 

最後に苦い思い出を。

昔、缶の紅茶(午後の紅茶とか紅茶花伝のようなもの)を飲み終わった時に、近くにゴミ箱がなかったのでバックに無造作に入れておいたところ、少し残っていた紅茶が図書館の本にかかり、本をダメにしてしまいました。当時は、既にアマゾンがあったので、アマゾンで代わりの本を購入して弁償することに。汚してしまった本は代わりに引き取りました。(図書館が所有権を放棄したことを示すシールが張られていました)

栄養素キャラクター図鑑


 

 

三大栄養素と13種類のビタミン、13種類のミネラルが擬人化されたキャラクターで紹介されているキャラクター図鑑。日本図書センターの健康キャラクター図鑑シリーズ第一弾で、公式サイトによると、12万部突破のベストセラー。(児童書かつ栄養学がテーマと言うことを考えると極めて異例)

 

小学校高学年を想定読者としているため、栄養学の普通の入門書に比べて、かなり読みやすくなっています。(全ての漢字に振り仮名付き)。化学、生化学的な話はなるべく省略して、「不足すると・・・」、「とりすぎると・・・」と言う視点から栄養素を理解して行きます。とにかく栄養素を一通り確認したいという大人が読んでも役に立つ内容。

 

ビタミンの中には腸内細菌で作られるものがいくつかある。


ビタミンEは活性酸素の影響を軽減する。


ビタミンの中には取り過ぎると、肝臓や腎臓に害を与えるものもある。


ナイアシンパントテン酸、ビオチン、葉酸もビタミン。

 

 

必須ミネラル16種類のうち、食品成分表にも載っている13種類を掲載。

 

大人が読めば1時間ぐらいで読み終わります。ビタミンやミネラルの名前を覚えられなくて困っている人でも、この本を繰り返し読めば覚えられそうです。

 

ちなみに、この本で省略されている必須ミネラルは、硫黄、塩素、コバルトの3種類。硫黄はタンパク質と一緒に、塩素は食塩で、コバルトはビタミンB12の成分として摂取されます。そのため栄養素として、特に意識する必要はないようです。

 

栄養素キャラクター図鑑 たべることがめちゃくちゃ楽しくなる! [田中明 蒲池桂子 いとうみつる ]

初期のアンパンマン(アニメ化以前)


 

 

アニメ化以前、漫画版のアンパンマン。連載初期には、アンパンマンジャムおじさんしか登場しませんが、7年にわたる連載中に、ばいきんまん、カレーぱんまん、しょくぱんまん、バタコさんなどが登場します。終盤になると、おむすびマンや、犬のチーズも登場。「フケツマン」などアニメでは見かけないキャラクターも。(初出は月刊いちご絵本1976年9月号から1982年7月号。巻末には「トースター島のなぞ」と言う特別編も)

 

漫画のタイトルも52話までは「あんぱんまん」53話から現在のアンパンマンに。(月刊誌での連載なので、4年以上「あんぱんまん」と言うタイトルだったことになります)

 

初期作品は見開き2ページのみで少し毒のある内容。

 

11話でアンパンマンの仲間「しょくぱんまん」登場

 

15話でアンパンマンジャムおじさんに頼んで作ってもらった弟がカレーパンマン

 

25話で初登場のばいきんまんは、自分の羽で飛べる「ハエ男」みたいなキャラクター。(後半では現在のバイキンマンに近い姿に変化しています)
ばいきんまんに消毒液をかけるなど時代を感じさせるエピソードも。

 

後半では、自称美人のバタコさんが大活躍

 

だれも知らないアンパンマン やなせたかし初期作品集 [ やなせたかし ]

 

関連記事

sukinakoto-happy.hatenablog.jp

 

 

日本語練習帳  岩波新書 大野晋


 

 

20年ほど前のベストセラー。現在でも入手可能なロングセラー。


「思う」と「考える」、「意味」と「意義」、助詞「は」と助詞「が」のように、単語、1語、1語にこだわるトレーニング。文章の正確な意味を理解すること、そして的確な単語を使って文章を書けるようになることが目標。

 

今読んでも参考になる内容が多いのですが、時間の流れを感じる内容も結構ありました。

 

夏目漱石太宰治など戦前の文章が多く引用されています。こうした文章との距離は、20年間で、かなり広がっているように思います。

 

また当時は新聞が日本語の文章の基準となる役割を果たしていたと言えそうです。字数調整の関係で所々に変な部分があっても、もっとも標準的な文章だと、当時は考えられていた。現代の日本語は新聞と言う大きな拠り所を失いつつあるような気がします。

 

敬語も謙譲語の分類や説明が現代的な説明とは異なっています。

 

ら抜き言葉に関しては、本書も「理にかなったものであり定着していく」と言う立場です。

 

 

以下特に感心した内容を二つメモしておきます。(助詞「は」と「が」の違いは、第二章全部を使っているので、興味のある人は本文を見てください)

 

経済、哲学、文明と言った翻訳語(英語など欧米の言葉から翻訳して作った熟語)は漢字を見ても正確な意味は分からない。本当の意味を知りたかったら、元になった外国語の意味を確認すべき。

 

「意味」とは、個人的に舌で感じ分けるように微妙に込められている気持ち。
(いかにも日本語らしい、この理解は、生きる意味を考える時にも役に立つと思います)

日本語練習帳 (岩波新書) [ 大野晋 ]

ハングル講座で抑揚は必修ではないけれど


 

 

Eテレハングル講座を、かなり久しぶりに見ました(昔見ていたのは小倉紀蔵先生が担当されていたころです)。パフィー大貫亜美さんや、ベックさんが出演中。派手な演出は少なく、昔ながらの語学番組と言う雰囲気です。

 

今回のハングル講座で注目したいのは、キーフレーズの抑揚を解説していることです。抑揚、アクセント、イントネーション、あるいは声調と言ったものは、非常に重視される言語と、それほどでもない言語があると思います。

 

 

中国語では非常に重要(声調言語)

 

日本語や英語では重要

 

一方、ハングル(韓国語)では、一般的に抑揚は重視されません。
しかし全く無意味かと言うと、そうでもありません。

 

今回、番組では激音と濃音を解説していました。(合成母音字も)


韓国語では激音と濃音が、ちゃんと聞き取れて、発音できれば、抑揚を学習する必要性は、あまりないと思います。しかし多くの日本人には、激音と濃音の発音は難しいものです。3種類ある「タ」、3種類ある「パ」などの発音を区別するためには、かなりの練習量が必要です。私のような40代の人間が中学、高校で英語を学んだ頃は、発音が不正確でも、それほど気にしませんでした。しかし会話を目的に外国語を学習する場合、話が通じないとストレスを感じやすくなります。

 

前置きが長くなりましたが、「話が通じない」状況を減らす方法のひとつが、抑揚を意識することです。くわしくは長渡陽一さんの本に書いてありますが、抑揚を意識すると、話す時も聞く時も、韓国語が通じやすくなります。

 

韓国語を実際に話したい人には、抑揚もセットで覚えておくのがお勧めです。

 

ちなみに、本の著者、長渡陽一氏は日本では数少ないアラビア語の専門家(研究者)ですが、韓国語も堪能です。

 

韓国語の発音と抑揚トレーニング 今すぐ実行できるウラ技を大公開! [ 長渡陽一 ]

売れる!パン屋作り40のルール 野口 貴美子


 

 

郊外、地方都市でパン屋さんを繁盛させるためのテクニックを、著者自身の経験に基づいて説明しています。マーケティングとか広告、販促活動、接客、人を雇った時の人間関係などがテーマ。パンの作り方はについては解説していないので別に学ぶ必要があります。(パン屋さんで先輩の技術を盗むように、よく観察して学んでいった経緯は、巻末に少し書かれています)原価とか設備投資の話も、ほんの少ししか出てきません。またライバル店を意識したマーケティングにも言及していません。

 

焼きたてパンを一日に何度も店頭に出すとか、季節ごとに新しいパンを考えると言ったパン屋さんならではの話もありますが、小売店一般に共通しそうな話が大部分。社交的で人当たりの良い態度で、顧客には誠心誠意対応。それは従業員に対しても同じ。売上げアップのための細かい工夫を継続する。

 

著者が自分のお店を持つまでの経緯は「おわりに」に書かれています。シングルマザーになりながら、パン屋さんで必死に働いて勉強した日々を経ての開店。パン屋さんで修行した経験が土台になってマーケティング的な工夫が活かされます。

 

特別なことではないけれど、社交的な努力家でなければ難しい内容が多数。適性のある人(向いている人)なら読まなくて出来るけど、適性がない人(向いてない人)には、本を読んでも無理な内容かもしれません。

 

大繁盛パン屋さんが教える売れる!パン屋作り40のルール【電子書籍】[ 野口 貴美子 ]