好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

東大脳の作り方 安川佳美


 

 

東大脳の作り方【電子書籍】[ 安川佳美 ]

(新書版は品切れ)

 

東大受験、東大医学部、東大病院研修医と続く東大三部作の第一作。第一作の出版から10年以上経って、著者は東大病院の外科医に。


この第一作では、幼少期から、幼稚園、小学校、中学受験、女子校では東大合格者数、日本一の桜蔭中学、高校での6年間、東大理科Ⅲ類(≒医学部)合格までを振り返り、特に役立ったと思う出来事を当時大学2年生だった著者が分析しています。

 

簡単に言うと、新書1冊分まるまる使った合格体験記です。

 

頭の良さ自体を鍛えるのは不可能ではないかもしれませんが容易ではないので、体力、競争心、集中力などを養いながら、基礎を大切にして地道な勉強を続ける。著者の場合は自衛官である父親に幼少期から中学受験までは鍛えられる。

 

中学受験で一流進学校に合格できれば大学受験にも有利。

 

桜蔭中学を受験した小学6年生の時、東大受験を控えた高校3年生の時は滅茶苦茶勉強。それ以外の時期は桜蔭の授業を大切にして、空手などのスポーツで体を動かし、8時間睡眠を目指す。

 

各教科の学習方法に関しては、あまり詳しく載っていません(授業を大切にとか、教科書の予習復習をと言った当然と言えば当然、しかし完璧に出来る人は稀な内容が中心)高校レベルの内容なら、それほど工夫しなくても理解できる人でないと東大理Ⅲは難しいのかもしれません。

 

東大脳と言う用語は語呂が良く、インパクトもあるからか、タイトルに「東大脳」が入った本は何冊か出版されています。(東大王というクイズ番組もありますし)東大脳と言う単語は、東大生または卒業生が教える、東大生に学ぶぐらいの意味で、使われているようです。

 

この本に続く医学部編、研修医編も一緒に読むと、「東大脳」エリートの強さと弱点が何となく伝わってくるかもしれません。

 

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東大脳の作り方【電子書籍】[ 安川佳美 ]

 

 

 

コミック あたふた研修医やってます。 


 

 

あたふた研修医やってます。 24時間お医者さん修行中コミックエッセイ【電子書籍】[ 水谷緑 ]

 

紀伊国屋書店の新宿本店に行ったら、看護に関するコミックエッセイのコーナーがあって、一昨日紹介した「今日も私は、老人ホームの看護師です」と一緒に水谷緑という漫画家の本が沢山平積みにされていました。今では色々な設定で医療、看護に関するマンガを出しているようですが、こちらの「あたふた研修医やってます。」が第一弾のようです。

 

マンガなのでレベルとか言うのも野暮ですが、中学生なら充分理解できそうです。

 

余計な設定とか本筋と関係ないストリーなどは挟まず、印象的なエピソードが淡々と描かれています。登場人物の個性とか、こだわりみたいなものを前面に出すのではなくて、具体的なエピソードに焦点をあわせています。

 

点滴の針を刺すのも一苦労だったり、手術の見学だけでも疲労困憊したり。さらに体力的につらい夜間の当直。救急車で運び込まれる救急患者。本物のコードブルー。
教授回診。命の終わりが近づいている患者。

 

この本には精神科は登場しませんが、水谷緑は「 精神科ナースになったわけ (コミックエッセイの森)」という本も出しています。

 

小中学校の図書室や図書館の中学生向けのコーナーにあると、小中学生の参考になりそう。学習マンガに近いエッセイ風マンガ。

 

あたふた研修医やってます。 24時間お医者さん修行中コミックエッセイ【電子書籍】[ 水谷緑 ]

医者の稼ぎ方 フリーランス女医は見た  筒井冨美


 

医者の稼ぎ方 フリーランス女医は見た [ 筒井冨美 ]

 

数日前に、このブログで紹介した同じ著者の本は、フリーランスの編集者との相性が良すぎたのか非常に個性的な怪作になっています。一方2作目の本書は、編集者も出版社も変わって比較的常識的な構成になっています。タイトルや前書きと中身は、ちゃんと対応していますし、後書きも真面目な内容。週刊誌の引用は最低限にしてできるだけ公的な統計などを使うようになっています。固有名詞を出すか、伏せるかの判断にも気を使っているようで、他の本では裁判になっても、この本では裁判沙汰にはしないという編集者のバランス感覚を感じます。 1冊目の本を見て酷い出来だけれど、この著者は売れる本を書けそうと見抜くのが 編集者の嗅覚のようなものかもしれません。(ドクターXの制作協力と言う肩書きも本を売るのには役立ちそう)

 

この本のテーマは、タイトルどおり、医師免許を持っている人間が、いかに稼ぐかということ。しかし外資系企業やマスコミ、一部の内科医のようなコミュニケーション能力に頼った稼ぎ方ではなくて、医師免許を持っているなら医者にしか出来ない分野で知識を深め、技術を磨くのが理想というのが著者の考え。具体的には医師の中でも出来る人が極めて限られている高度な麻酔や難しい手術、帝王切開を含む産科医療、不妊治療など。 そうした分野で高度な技術を身に付け、大学病院の教授になれなくても引く手あまたの医師になってバリバリ稼ぐのが著者にとっての理想の稼ぎ方。

 

そうした立場から大学病院や医療行政の問題点も指摘しています。

また産婦人科を例に、医療に競争原理を導入する効用を訴えています。

 

著者のモットーは「有能は厚遇、低能は冷遇、無能は淘汰」

淘汰ではなくて内科に押し付けてるような気もしますが。

 

医者の稼ぎ方 フリーランス女医は見た [ 筒井冨美 ]

今日も私は、老人ホームの看護師です(マンガ)


 

今日も私は、老人ホームの看護師です(1) おとぼけナースと、かわいい仲間たち [ 鈴橋加織 ]


 

今日も私は、老人ホームの看護師です(2) おとぼけナースと、かわいい仲間たち [ 鈴橋加織 ]

 

タイトルどおり、特別養護老人ホームを舞台にしたエッセイ風マンガです。(設定はフィクション)入居者は介護度が3以上、認知症と何らかの体の障害がある高齢者。(本格的な治療やリハビリが必要な人には対応してないとのこと)主人公の看護師は昼間だけ施設に勤務しています。(夜間は看護師が勤務しない施設)

 

日本人の知らない日本語と言う日本語学校を舞台にしたエッセイマンガがありますが、舞台を老人ホーム、主人公を日本語教師から看護師に変えた感じと言えば雰囲気が伝わるかもしれません。

 

悪気がなくても滑稽だったり迷惑な行動をとってしまう高齢者。それに対してプロとして正しいと思われる対応をとる看護師や施設スタッフ、医療関係者。しかし滑稽なのは施設入居者だけでなく、実の親の変化に戸惑い、適切な対処が出来ない子ども(時には配偶者や孫)も同じ。親に対する独りよがりの愛情から、モンスターペアレントならぬモンスターチルドレン(実際にはモンスター中年)のように振舞ってしまう人も。そうならないためには、最低限の知識と医療や福祉の専門家とのコミュニケーションが必要になりそう。

 

老人ホームでの看護師さんの役割も色々。


入浴などの介護をしたり、入居者の外出(行事として行われている集団での外出)
の付き添いをしたりとヘルパーさんに近いもの。


採血。施設に往診に来る医師の補助。緊急時の救急車の手配など、医療に直接関わるもの。


3つ目が老人ホーム特有だと思うのですが、認知症の入居者と医師や救急隊員、時には家族とのコミュニケーションを補佐すること。自分の症状が適切に伝えられない入居者が適切な処置や治療を受けられるように、看護師さんが通訳のような役割を果たしています(日本人の知らない日本語でも、日本語教師が外国人患者と日本人医師の間の通訳のような役割を果たすシーンがあったと思います)

 

プロの漫画家だと、看護師を不自然に美化したり看護師の恋愛事情とか余計な設定をいれてしまいそうですが、そうした部分が全くない点も好印象。
大人になった、ちびまる子ちゃんみたいな主人公が、認知症の入居者に戸惑ったり疲れたりしながらも淡々と日常業務をこなしていきます。

 

良い本を見つけたと素直に思える作品でした。(マンガですが)

 

今日も私は、老人ホームの看護師です(1) おとぼけナースと、かわいい仲間たち [ 鈴橋加織 ]

今日も私は、老人ホームの看護師です(2) おとぼけナースと、かわいい仲間たち [ 鈴橋加織 ]

 

大人もハマる週末面白実験(ブルーバックス)


 

大人もハマる週末面白実験 自宅でできる科学の感動体験 (ブルーバックス) [ 左巻健男 ]

(理科教員などによる分担執筆)

 

講談社ブルーバックスシリーズのロングセラー。
初出は2001年、読売新聞夕刊土曜版の連載。ブルーバックスになったのは2005年。

 

ホームセンターやインターネット通販で材料を入手すれば家庭でも出来る実験。
(子どもだけだと、火傷などの危険のある実験も含まれています)
小学生なら実験結果の不思議さに素直に驚きそう。
中学生なら、理屈を説明すれば理解できそうな実験。
(合計34本)

 

お酢で生卵の殻を溶かして、ゴムのようなゴム卵を作る。
簡単なカメラや電池、使い捨てカイロを自作する科学工作。
実際に食べられる手作りグミやカルメ焼き、太陽光で作るゆで卵
光や熱、静電気の不思議さを体感できる実験。
氷の不思議な性質

 

ちょっと異色なのは鶏のレバーからDNAを抽出する実験。無水エタノールを薬局で購入すれば、家庭にあるような道具と材料でDNAの抽出が可能とのこと(この方法では人間の細胞からDNAを抽出するのは不可能とのこと)

 

全体的に物理、化学に関する実験が中心で、生物、地学に関する内容は少数です。小学校の理科では、生物や地学は観察が中心で、実験できる項目は限られているのかもしれません。

 

写真やイラストは全部白黒なので、今時の小学生、中学生向きと言うよりも、小学校や塾の先生、科学実験の動画を配信するユーチューバー、子どもを理科好きに育てたい親御さん向きでしょうか。でんじろう先生のような派手さはないものの、理科(科学)に対する理解が深まる実験、科学工作が選ばれていると思います。

 

大人もハマる週末面白実験 自宅でできる科学の感動体験 (ブルーバックス) [ 左巻健男 ]

 

名医と迷医の見分け方 筒井冨美 宝島社

発売日: 2016年04月07日頃
著者: 筒井冨美
出版社: 宝島社
発行形態: 単行本
ページ数: 249p
ISBNコード: 9784800252630

 

悪ノリしすぎ、毒を吐きすぎの内容なのに、表紙とタイトルだけ普通っぽくしたものの、わずか1年半で絶版になってしまった本書。羊頭狗肉、表紙と中身を極端に乖離させるのは詐欺紛いの売り方と言われても止むを得ないのではと思います。(タイトルと本文が全く関係ないわけではありません)個人的には宝島社は要注意出版社のブラックリストに載せておきたいと思います。一番悪いのは出版社だと思いますが、著者自身もネットメディアで発表した署名記事でトラブルをおこしているようです。

 

 この内容で出版したいなら、せめてペンネームにすべきだったかも。医師が実名で執筆しているのに、学歴、経歴を隠していると、何かトラブルでもあったかもって詮索したくなります。(ほんとにトラブルがあったら実名では書かないと思いますが)


フリーランス女性麻酔科医による歯に衣着せぬ業界裏話を読みたい人にとっては、面白い本だと思います。

お金ってなんだろう? (長岡 慎介)


 

 

お金ってなんだろう? あなたと考えたいこれからの経済 (中学生の質問箱) [ 長岡 

慎介 ]

 

中学生を想定読者とした、ユニークな、見方によっては、癖の強い経済・金融入門。現在のアメリカ中心の金融システムを全て無条件に受け入れるのではなくて、「もっと多くの人が幸せになれる金融の仕組みはないか」と考える若い人たちが増えることを期待して書かれています。

 

お金を本来の用途、商品の売り買いにだけ使用している時には、お金が直接の原因になって世界中が大混乱するような事態は起こりません。しかし資本主義が浸透して、野菜や魚と言った実際の商品を扱う「いちば(市場)」だけでなく、商品取引所のような「しじょう(市場)」が整備されていきました。また、お金を貸し出す銀行や株式会社、先物取引とか債券の証券化と言った金融の仕組みも整備されていきました。こうした出来事は、基本的には世の中を便利にして多くの人に金銭的な利益をもたらしました。しかし一方で、バブル崩壊金融危機と言った世界中に大混乱をもたらすような出来事も起こっています。また資本主義を否定した共産主義国家が失敗したこともあり、現在でも人々の間には大きな格差があります。

 

一方、大学時代に農業経済を専攻し、現在はイスラーム経済が専門の著者、長岡慎介の関心事は、今の日本とは別の金融システムもありえるのではないかということ。その代表例として、イスラム経済、イスラム金融を研究しています。そのため、この本の3分の1ぐらいはイスラム経済、イスラム金融の話(それ以外の3分の2は、資本主義と金融の歴史から経済について考えています)

 

クルアーンコーラン)で利子を受け取ることを禁止しているイスラム教。そのためムスリムイスラム教徒)は独自の金融システムを発展させてきました。そうしたイスラム経済、イスラム金融に関して、この本は、おそらくもっとも易しい入門書にもなっています。

 

蛇足(個人的な感想)
バブル景気の時代、「かねに色はついていない」と言う表現があったと思います。稼いだ金額だけが問題で、稼ぎ方なんて関係ないという意味でしょうか。
昔は皮肉や嘲笑をこめて使われていた表現のような気がしますが、今では「かねに色はついていない」のは当たり前のようになってしまいました。本当に、それでいいのと疑問に思う大人が読んでも得るものがある本だと思います。中学生には少し難しいかもしれませんが。

 

お金ってなんだろう? あなたと考えたいこれからの経済 (中学生の質問箱) [ 長岡 慎介 ]