11文字の殺人 東野圭吾
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1987年出版、東野圭吾の初期作品。光文社文庫の新装版。
(推理小説のため、あらすじにネタバレや不正確な部分があります)
今振り返ると、当時はバブル景気の真っ最中。
スポーツジムを経営して、羽振りの良かった社長。彼が悪天候の中、クルーズ船で航海中に転覆事故を起こす。船に乗っていたのは、スポーツジムの関係者など。その事故では1人が犠牲になった。やがて、生存者を狙ったかのような連続殺人事件が発生する。
「無人島より殺意を込めて」
探偵役は女性推理小説作家の「わたし」。助手役は担当編集者の萩尾冬子。
ちょっとポンコツな「わたし」と、やり手の助手、冬子が事件の真相に迫る。
何よりもネット検索が不可能な時代だったことが、現在との大きな違い。作家である「わたし」も、ワープロ専用機を使用。その一方で、個人情報を守ると言う意識は弱く、推理作家の取材と言えば、それなりに情報が手に入ります。
有名作品をパッチワーク(切り張り)したような内容の事件であり、犯人の言動にも被害者の言動にも不可解な部分がありました。そのため東野圭吾の作品の中では、あまり評価が高くないようです。どちらかと言うと、80年代を懐かしむアイテムとして楽しめました。(夕方のテレビでアニメの再放送をしているなど)
2011年に永作博美主演でドラマ化。