2921年8月25日放送、東大王(TBS)
クイズ甲子園の前編。
「タイト」という84画の漢字や、実際には使われることのない幽霊漢字に関する問題も。
その中でも、個人的に気になったのは、夏目漱石の小説からの問題です。
問題
〇〇〇〇に入る四字熟語を答えよ。
夏目漱石 それから
世間は隣人に対して現金である如く、英雄(ヒーロー)に対しても現金である。だから、こう云う偶像(アイドル)にもまた常に〇〇〇〇や生存競争が行われている。
高校生だけでなく、東大王チームも誰も答えられなかった難問です。
正解
新陳代謝
現金
ここでは「目先の利害損得によってすぐ態度や主張を変えるさま。」
21世紀の日本ではアイドルたちの熾烈な生存競争が繰り広げられていますが、この小説が発表されたのは 1909(明治42)年。
ヒーローとかアイドルとか何のことを言ってるのだろうと思って、青空文庫で検索してみました。
(青空文庫、横書きですが、無料公開されています)
英雄、偶像、新陳代謝と言った単語で検索すると、該当部分が出てきます。
(十三の後半部分)
ここでの英雄、偶像は、広瀬中佐のこと。
(軍神として神格化された広瀬 武夫)
作品発表時には既に故人。
主人公(男)が、不倫相手の女性の夫にお世辞を言っているシーンでしょうか。
新聞社に勤める夫に対して、軍人のように剣の力で英雄になるよりも、新聞のように言論の力で英雄になるべきだと。
明治時代の小説に登場するヒーローとアイドル。現代の一般的な用法との違いが面白かったです。
ウィキペディアによる作品解説