好きなことを知っている人は、しあわせ

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詩集 風、風、吹くな 江口 季好

この記事は、ある知り合いの方を意識して書いたので、このブログの読者の人には分かりづらい内容かもしれません。

 

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風、風、吹くな―もうひとつの教育論 詩集 (1974年) - – 古書, 1974/1/1 江口 季好 (著)

 

アメブロアメーバブログ)に、霜村三二さんによる「さんにゴリラのらぶれたあ」というブログがあります。
そこで紹介されていた、江口季好の「わたしの学力」と言う詩。
興味のある人は、リンク先を参照してください。

 

「さんにゴリラのらぶれたあ

ameblo.jp

 

 

ある人から、普段から、このブログを愛読しているけれど、この詩は、理解できないというような話を聞きました。


 私も、この詩を含むブログを拝読しましたが、違和感を感じるものの、言葉にしづらい内容と感じました。


 あえて言えば、「わたしの学カ」という詩は、背景知識の無い私が読むと、精神科医精神分析家のような印象を受ける。一方、詩を読んだ、霜村三二さんの感想は、カウンセラーみたいと感じました。


 霜村三二さんは、江口季好さんに関する知識から、あまり一般的ではない解釈をしているのかもしれない。そう思って、江口季好さんの詩集を図書館から借りてきました。「わたしの学カ」という詩が収録されている「チューリップのうた」という詩集は自費出版なので、所蔵している図書館自体、ほとんど無いようですが、「風、風、吹くな」と言う詩集は図書館の書庫に保存されていました。(1974年の発行)


その中から、「わたしの学カ」に比較的近いテーマと思われる「会社出勤」という詩を紹介します。

 

 

「風、風、吹くな」135ページ

 

会社出勤

 

このごろ、
この子は毎朝
せんせい かいしゃ いきなさい。
はやく いかないと おかあさんに おこられる。
と、わたしを教室から押し出す。
じゃ、いってくるね。
いい子で、べんきょうしていてね。
こうして、わたしの職員室への会社出勤がはじまった。
たばこを一ぷくすって
「ただいま」
と帰ってくると、この子は安心する。
五分ほどのわたしの会社出勤はいつまでつづくのだろうか。

(引用終わり)

 

 

この詩を読むと、「私の学力」という詩の印象も変わるのでしょうか。
個人的には、「会社出勤」という詩からは、文化人類学あるいはナラティブセラピーのような発想を感じます。文化人類学精神分析の間を揺れ動く様子を、二つの詩からは感じました。あるいは文化人類学的な視点(上から目線に立たず、子どもから学ぶという視点)を持ち続けることの難しさが背景にあるために、「私の学力」と言う詩も、その詩に対する 霜村三二さんの解釈も、分かりにくいものになっているのではないかとも思います。