好きなことを知っている人は、しあわせ

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現実はいつも対話から生まれる(ケネス・J・ガーゲン)


 

 

現実はいつも対話から生まれる
ケネス・J・ガーゲン, メアリー・ガーゲン,
伊藤守(監訳)

 

「全ての現実は社会的に構成されている」と考える社会学の理論、社会構成主義
この考えはニヒリズム虚無主義)をもたらすものではない。実際には、少数派が多数派に、弱い者が強い者に対抗するための有力な手段である。そして価値観の異なる集団が良好な関係を築くためにも役立つ。こうした内容を平易な文章で説明しています。また社会構成主義を役立てるためには、対話が重要であることも、具体例を挙げながら示しています。

 

アメリカでの初版は2004年。日本語版の出版は2018年。
社会学や、ナラティブセラピーなどの心理学の分野から少し遅れて、ビジネスの分野で対話や物語の大切さが認識されるようになり、基礎理論である社会構成主義の入門書が翻訳されたようです。(日本でオープンダイアローグが注目されるようになったことも関係しているかもしれません)初版が古いこともあって、SNSとか、フェイクニュース、トランプ政権のような、社会構成主義の弊害とも思える事例には、言及していません。

 

私は、最初に読んだ時には少し難しい気もしたのですが、社会学の教科書や用語集で「社会構成主義」に関する部分を読んでから、読み直してみると、テンポよく読めました。

 

理論的な解説は物足りない気もします。しかし社会構成主義は、比較的小さな集団との関係で、対等な対話が成り立つ時に建設的な役割を果たすという点は伝わってきました。

 

現実はいつも対話から生まれる