好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

ヒュッゲ 365日「シンプルな幸せ」のつくり方


 

 

デンマーク人の幸せな生活を、カタログ的に示した本。

 

ヒュッゲは日本語に訳しづらい語のようですが、心の安らぎや、人のぬくもりを基本とした「しあわせな生活」がテーマになっています。日本語で「癒し」という場合、ストレスや心の傷の存在が前提としてありますが、ヒュッゲというのは「心の安らぎ」そのものを大切なものとして追求することかもしれません。あえて日本語で表現すると「ゆとりと潤いのある生活」のようなものでしょうか。

 

この種の幸せを追求する場合、もっとも重要なのは良好な人間関係で、次に重要なのは働き方(または、ある程度の「お金」)でしょう。しかし、デンマーク流の人間関係と働き方を、外国人が真似するのは簡単ではありません。そのため日本でいうところの「余暇の過ごし方」的な内容が、この本の中心になっています。

 

そんなわけで、この本だけで幸せになれる日本人は、生活に困窮していない、ある程度恵まれた状況にある人とも言えそうです。本来は浪費をしないシンプルな生活ですが、日本流にアレンジせずに見た目を真似ると出費がかさむことになりそうです。

 

言葉で説明しづらい内容なので、書店や図書館で実際の書籍を見てみるのが一番なのですが・・・。

 

電子版もありますが、書籍版は、1600円+税という値段の割に、おしゃれな装丁。部屋のインテリアとして飾っておくのも良さそうです。

 

余談ですが、先日見た映画L・DK(2019年公開)を、とても新鮮に感じた理由の一つも、「ヒュッゲ」な演出にあるのかもしれません。昭和の名曲「神田川」のような貧困生活でもなく、バブルのような華美な生活でもなく、「節約しながらも、楽しく暮らしている感じ」が、美術スタッフにより演出されていました。

 

ヒュッゲ 365日「シンプルな幸せ」のつくり方 (単行本) [ マイク・ヴァイキング ]

 

同じ著者マイク・ヴァイキングによる著書、「デンマーク幸福研究所が教える「幸せ」の定義 」という本も翻訳されています。こちらは、幸福に関する実証的な研究を紹介したもの。こちらの本を読むと、著者のマイク・ヴァイキングが「怪しい雑誌ライター」的な人ではなくて、社会科学の研究者だといういうことが良くわかります。

 

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