ネーミングバラエティー 日本人のおなまえっ!【お金の名前のフシギ】から
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お札と書いて、「おさつ」と読んだり、「おふだ」と読んだり。
二つの読み方があるのは、日本における「お金(紙幣)」の歴史と関係がありました。
現在の日本の紙幣、正式名称は日本銀行券(にっぽんぎんこうけん)
「おさつ」という呼び方も「おふだ」という呼び方も、日本の紙幣が日本銀行券になる前に生まれました。
日本で最初に作られた紙幣は、江戸時代初期に、現代の三重県、伊勢市で作られた山田羽書(やまだはがき)。当時は、金貨(小判など)、銀貨に比べて、銭貨
(せんか、銅貨)の価値が非常に低く、お釣りを出すのが不便だったため。
こうして作られた紙幣は(縦長で)お札(おふだ)みたいに見えた。
明治政府の時代になって、発行された「太政官札(だじょうかんさつ)」で、はじめて「さつ(札)」という読み方が使われる。格調高い言葉として、漢語の「さつ」を使用。
まとめ
札の読み方
「ふだ」は訓読み、「さつ」は音読み
「ふだ」はフミイタ(文板)から(広辞苑)
紙幣の意味で「さつ」を使うのは、日本で作られた用法。
札という漢字は、木+乙。乙は彫刻刀を表し、木を刃物で、けずり、作った「ふだ」とのこと。(新漢語林より)