金田一先生のことば学入門 (中公文庫)
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ことばに関して、辞書や文法書に載っていない事柄を色々考えているエッセイ集。
音声と文字以外での言葉の伝達(手話、車道での車同士のやりとりなど)。
音、声、あるいは手書きの文字から単語の意味以外に伝わるもの。
(意味不明の外国の歌から感じるものなど)
五輪でオリンピック、W杯でワールドカップのような特殊な読み方が可能なのはなぜか。
ゴミは、なぜカタカナ表記が一般的なのか。
(これは金田一先生が大学の期末試験で出題した問題)
反対語って理屈っぽく考えると、反対の意味ではなくて類義語の1種。
日本テレビでやっている「はじめてのおつかい」が大好きな金田一先生から見ると、サザエさんのタラちゃんの言葉遣いは不自然。
ドラえもんという表記は特殊。(カタカナ+ひらがなの単語は少ない)
こうした細かいことにこだわるだけでなく、子どもの成長とことば、人類の進化とことば、現代芸術とことば、宗教とことばなど、周辺領域を含む色々なテーマに話は広がっていきます。
マガジンハウス刊「ことばのことばっかし」を改題し、文庫本にしたもの。
基本的に読みやすいエッセイ集。
「金田一先生のことば学入門」という文庫本のタイトルは、内容よりも中公文庫での「おさまりの良さ」を重視して付けたものでしょう。
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