好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

おたんこナース(看護婦マンガ)


 

 

少し闇を抱えながらも憎めない新人看護婦、似鳥ユキエ(にたとりゆきえ)。
1990年代、まだ看護師さんが看護婦さんと呼ばれ、独特のナースキャップを被っていた時代の医療漫画です。漫画ならではの際どいエピソードを、コミカルに描いています。

 

初出は青年誌の週刊ビックスピリッツ。看護婦さんや看護学生向けに書かれたものではなくて、男性向けに「看護婦さんは大変なんだから、しょうもないことで困らせるんじゃないよ」と言う視点で書かれています。(看護婦さんは女性が当たり前で、男性の看護師さんは、一般の人には馴染みが薄かった時代です)

 

差し入れやお土産をもらうよりも、業務が円滑に進むように患者のほうでも考えて行動して欲しい。こういうことは、医師や看護婦側からは言いづらいと思います。しかし、コミカルで極端なエピソードを漫画で描くことで、多くの人に伝わるようになっています。ものすごく深刻な病気の時は、こういう漫画を見ている余裕はないでしょう。しかし比較的簡単な手術をして、しばらく入院するみたいな時に眺めておくと気持ちよく入院生活が送れそうです。そういう意味では、読むワクチンみたいな漫画です。

 

がんの告知をめぐり葛藤するエピソードは、当時の時代背景を反映していると思います。進歩が非常に早いのが医療の世界。細かいところを見ていくと、時の流れを感じさせる場面も色々ありそうです。

 

豆知識
男女を問わず看護師と呼ぶようになったのは2003年から。「おたんこナース」の連載が始まったのは1995年なので、当時は看護婦(男性は看護士)が正式名称。

おたんこナース(1)【電子書籍】[佐々木倫子 小林光恵 ]