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すらすら読める養生訓 (講談社+α文庫) [ 立川 昭二 ]
江戸時代の健康指南書、貝原益軒の「養生訓」。
現代人にも役に立つ内容が多く含まれていて、300年以上読まれ続けている超ロングセラーです。
「すらすら読める養生訓」はコンパクトな文庫版。原文と現代語訳が、対訳形式で収録されています。残念ながら全文が収録されているわけではなくて、ダイジェスト版です。以前、このブログで紹介した全文訳と比較してみると収録されているのは全体の3分の1程度。しかし現代人にとって特に重要なポイントは、押さえていると思います。
具体的には、和やかな心で生活する、食べ過ぎない、味の濃いものを食べない、
適度に体を動かす、薬に頼り過ぎない、呼吸の大切さ、老後の過ごし方と言った
部分は原文と現代語訳、さらに解説も載っています。
一方、漢方薬とか鍼灸関する項目、現代では迷信と思われいるような内容は、大幅にカットされています。
原文には、振り仮名をふって、句読点も補ってあり、かなり読みやすくなっています。古文にはハードルが高いイメージがありますが、江戸時代の本と言うこともあり、大学入試の古文と比べると、かなり読みやすいと思います。
養生訓の原文には、独特のテンポがあり、読んでいて気持ちいい文章でした。
ちなみに、養生訓がベストセラーになった理由の1つは、性生活についても解説されているからとのこと。こうした事情も紹介されています。
すらすら読める養生訓 (講談社+α文庫) [ 立川 昭二 ]
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