好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

ぼくはアスペルガーなお医者さん 畠山昌樹


 

 

ぼくはアスペルガーなお医者さん 「発達障害」を改善した3つの方法 [ 畠山昌樹 ]

 

タイトルの通り、自分自身がアスペルガー症候群である医師が、アスペルガー症候群について易しく解説した本。「アスペルガーなお医者さんによるアスペルガー入門」。TBSダイエット総選挙に指導医として参加。独自に開発したダイエット食で、優勝。一方、本当の総選挙(衆議院選挙)では落選という経歴の持ち主。

 

相手の立場になれない、行間を読めない、警戒心が強く一人になると安心すると言ったアスペルガーの特徴を、著者が実際に体験したエピソードを通して理解できるようになっています。小学校のクリスマス会でのプレゼント交換、掃除の時間、ジェスチャーゲームなどで体験したことを、拷問のような強烈な経験として記憶しているとのこと。しかし、こうした経験は周囲にアスペルガーに対する理解があれば避けられたかもしれない出来事でもあります。

 

また第2章「アスペルガーの恋」では、アスペルガーの人が恋愛するには、比喩的な意味ではなくて、文字通り学習と努力と模倣(もてる人の真似)が必要なことを著者の人生を振り返って説明しています。医師と言うこともあってか一度は結婚するも離婚してしまったとのこと。しかし、もっと学習が必要と前向きに考えいるようです。

 

第3章「アスペルガーな子どもの育て方」では、まずはアスペルガーな子どもの「脳の個性」を理解すること、次に長所を伸ばしていくことを勧めています。短所の克服は本人が必要性を感じた時に取り組むべきで、親が矯正しようとしても上手く行かないという立場です。

 

その後の章では、患者の気持ちが読めないという欠点を、患者の表情を観察したり、患者とのやりとりのパターンを覚えたりして補っていること、糖分(炭水化物)を減らしたケトン食を実践していることなどが出ています。

 

ネット上の感想を見ると、医師が執筆するのなら、もっと詳しい(専門的な)情報が欲しいと言うような内容もありました。しかし著者が興味、関心を持っているのは「アスペルガーを専門とする医師」になることではなくて、脳に効くダイエット食の研究や政界進出のようです。こうした選択も尊重される社会が、生きやすい社会なのかもしれません。

 

 ネット上には、幼稚園や小学校の先生に読んで欲しいという感想もありましたが、その通りだなと思います。

 

ぼくはアスペルガーなお医者さん 「発達障害」を改善した3つの方法 [ 畠山昌樹 ]