好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

今日も私は、老人ホームの看護師です(マンガ)


 

今日も私は、老人ホームの看護師です(1) おとぼけナースと、かわいい仲間たち [ 鈴橋加織 ]


 

今日も私は、老人ホームの看護師です(2) おとぼけナースと、かわいい仲間たち [ 鈴橋加織 ]

 

タイトルどおり、特別養護老人ホームを舞台にしたエッセイ風マンガです。(設定はフィクション)入居者は介護度が3以上、認知症と何らかの体の障害がある高齢者。(本格的な治療やリハビリが必要な人には対応してないとのこと)主人公の看護師は昼間だけ施設に勤務しています。(夜間は看護師が勤務しない施設)

 

日本人の知らない日本語と言う日本語学校を舞台にしたエッセイマンガがありますが、舞台を老人ホーム、主人公を日本語教師から看護師に変えた感じと言えば雰囲気が伝わるかもしれません。

 

悪気がなくても滑稽だったり迷惑な行動をとってしまう高齢者。それに対してプロとして正しいと思われる対応をとる看護師や施設スタッフ、医療関係者。しかし滑稽なのは施設入居者だけでなく、実の親の変化に戸惑い、適切な対処が出来ない子ども(時には配偶者や孫)も同じ。親に対する独りよがりの愛情から、モンスターペアレントならぬモンスターチルドレン(実際にはモンスター中年)のように振舞ってしまう人も。そうならないためには、最低限の知識と医療や福祉の専門家とのコミュニケーションが必要になりそう。

 

老人ホームでの看護師さんの役割も色々。


入浴などの介護をしたり、入居者の外出(行事として行われている集団での外出)
の付き添いをしたりとヘルパーさんに近いもの。


採血。施設に往診に来る医師の補助。緊急時の救急車の手配など、医療に直接関わるもの。


3つ目が老人ホーム特有だと思うのですが、認知症の入居者と医師や救急隊員、時には家族とのコミュニケーションを補佐すること。自分の症状が適切に伝えられない入居者が適切な処置や治療を受けられるように、看護師さんが通訳のような役割を果たしています(日本人の知らない日本語でも、日本語教師が外国人患者と日本人医師の間の通訳のような役割を果たすシーンがあったと思います)

 

プロの漫画家だと、看護師を不自然に美化したり看護師の恋愛事情とか余計な設定をいれてしまいそうですが、そうした部分が全くない点も好印象。
大人になった、ちびまる子ちゃんみたいな主人公が、認知症の入居者に戸惑ったり疲れたりしながらも淡々と日常業務をこなしていきます。

 

良い本を見つけたと素直に思える作品でした。(マンガですが)

 

今日も私は、老人ホームの看護師です(1) おとぼけナースと、かわいい仲間たち [ 鈴橋加織 ]

今日も私は、老人ホームの看護師です(2) おとぼけナースと、かわいい仲間たち [ 鈴橋加織 ]