マンガで学ぶ感染症 岩田健太郎
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(電子書籍は専門のサイトでの販売)
PBL (Problem based learning)=課題(症例)に基づく学習アプローチによる感染症入門。簡単に言うとドクターGのマンガ版、症例を重要な感染症に絞った基礎編のような内容になっています。wikipediaによると、ドクターGのパイロット版は2009年となっているので、この本の出版と、ほぼ同時期になります。
気道感染症、尿路感染、髄膜炎、カテーテル感染、蜂窩織炎、感染性心内膜炎の順に、診断法と抗菌薬について基礎の基礎を学んでいきます。
医学部の学生で同じ講座の受講生同士のラブストーリーと言う、とって付けたようストーリー。しかも一昔前のパソコンで描きましたという感じのマンガ。最近では、この本の著者、岩田健太郎のパートナーは、「もやしもん」みたいになっていますが、この本には「もやしもん」は登場しません。マンガの部分の出来は、あまり良くありません。
しかしマンガの後の解説は簡潔で分かり易く書かれています。教科書的な解説だけでなく興味深いエピソードも書かれていて退屈しません。マンガの部分を寝転がって読んでいると、そのまま解説部分も読んでしまうような感じです。
著者が熱く訴えている次のようなメッセージも伝わってきました。
医学部では感染症に関して色々な科目で細切れに学んでいるが、感染症をテーマにした科目が必要。
抗菌薬(抗生物質)の乱用は厳禁。菌の絞込みが大切。
日本では予防接種で防げたはずの感染症が多数発生していることを深刻に受け止めるべき
同じ著者から「絵でわかる感染症 with もやしもん」と言う本も出ています。
マンガで学ぶ感染症は基礎の基礎、絵でわかる感染症は本格的に学ぶ人のための入門書と言った雰囲気です。
絵でわかる感染症withもやしもん (絵でわかるシリーズ) [ 岩田健太郎 ]