好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

NHK 気になることば(ことばおじさんの番組を書籍化したもの)


 

「サバを読む」の「サバ」の正体 NHK気になることば (新潮文庫) [ NHKアナウンス室 ]

(実際に読んだのは、東京書籍の単行本です)

 

テレビで見かける日本語のプロフェッショナルとしては、予備校講師の林先生や学者一家の3代目、金田一秀穂先生、「声に出して読みたい日本語」の齋藤孝先生などがいますが、数年前までNHKに出演していた、「ことばおじさん」梅津 正樹アナウンサーを覚えている人も多いのではないでしょうか。この本は梅津アナが出演していた「ことばおじさんの気になることば」を書籍化したものです。

 

まず、まえがきの冒頭が秀逸です。(以下引用)
「最近の若者のことばは、どうなっているのだと、嘆いていらっしゃる皆さんにこの本を読んでいただくと、簡単には若者を批判できなくなるかもしれません。反対に、どうして大人は、私たちのことばに文句を言うのだと、不満をお持ちの若い方にこの本を読んでいただくと、そうだったのかと納得していただけるのでないかと思います。」(引用終わり)

 

単に辞書に載ってる正しい表現を押し付けるのではなく、長い年月を経て来た日本語の変化、及び地方や年齢による日本語の多様性の両方を踏まえて日本語について考えるという立場です。そして最終的には多数の人が使っている表現や解釈には、なるべく逆らわないという民主主義的な態度。


理想ではあるものの、実際に行うのは非常に労力がかかり難しいことだと思います。そんなわけで、ワンランク上の日本語雑学を読みたい人にはお勧めの1冊。

 

以下特に印象的だった項目を2つだけ紹介します。


とっつきにくいの意味で私も何回か使っていた「敷居が高い」
こんなのは誤用だと切り捨ててしまえば楽なのでしょうが、
本来の意味で使っている人よりも、私のような意味で使っている人のほうが多いことを紹介した上で、「(不義理や面目のないことがあって、その人の家へ行きにくい。と言う)「敷居が高い」の本来の意味も忘れないでおきたいものですね。」
と控えめに書かれています。

 

もう一つは、未明と言う単語。午前0時から3時までに起きた出来事を深夜と言うと、「今日の夜、深夜」と紛らわしいため、気象庁やニュース報道では、本来の意味とは、ずれているとと認識したうえで、未明を使用しているとのこと。単語の正しい意味が絶対ではないという点で興味深い内容でした。

 

「サバを読む」の「サバ」の正体 NHK気になることば (新潮文庫) [ NHKアナウンス室 ]