ときめく微生物図鑑 [ 塩野正道 ]
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ときめくきのこ図鑑に続いての、ときめく図鑑シリーズ。
微生物図鑑と言うタイトルですが、病原菌などの細菌図鑑ではなくプランクトンの図鑑です。(ときめくプランクトン図鑑だと、テーマがマイナーすぎるので、医療系の人などには馴染みのある微生物をタイトルに付けたのではないかと思います)
図鑑に収録されている微生物で一番有名なのは、健康食品としても販売されているミドリムシ(ユーグレナ)。葉緑体を持つ植物プランクトンで、長い鞭毛を使って泳ぎまくるというもの。
一方最近では話題になることの少ないクロレラは、ゾウリムシ(単細胞の動物プランクトン、繊毛虫)と共生した状態で紹介されています。
植物プランクトンは、単細胞のままで進化を続け、群れを作っているものも多くある。こうしたことが綺麗な写真からも伝わってきます。
一方動物プランクトンは、ミドリゾウリムシ以外は、ミジンコやエビの仲間が中心です。動物プランクトンになると、もう微生物と言うよりも、小さなエビとか小さな虫と言った感じです。(東京湾アクアラインで有名なウミホタルも動物プランクトン。実際に光るそうです)
植物プランクトンと違って、動物プランクトンは単細胞生物から、既に随分複雑な多細胞生物に進化している感じです。
後半の章ではでは、プランクトン以外の微生物、食物連鎖と分解者の役割と言った内容を駆け足で見て行きます。(うんちが土になるというコラムは衝撃的でした)
普通微生物学と言うと、シャーレの寒天培地に培養してから顕微鏡で観察するイメージです。しかしプランクトンの場合、水と一緒に直接顕微鏡で観察できるので顕微鏡を買ってくれば普通の人でも観察できそうです。
小中学校での「小さな生き物の観察」を懐かしむのに良さそうな内容。
人によっては、もう一度ときめく微生物図鑑になるのかもしれません。